【最新動向まとめ】特定技能の受け入れ停止はどうなる?企業が今すぐ動くべき理由と分野別タイムライン

2026年4月、外食業の特定技能1号が受入れ停止になりました。
「うちの業種は関係ない」tという思い込みが、採用計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。
出入国在留管理庁のデータに基づく独自試算によれば、2027年中に自動車整備・宿泊・飲食料品製造・介護・農業の5分野が相次いで上限に到達する可能性があります。
この記事では、分野別の上限到達予測と、企業が今すぐとるべき対策を徹底解説します。
はじめに:「うちは関係ない」が最大のリスク
2026年4月、外食業における特定技能1号の新規受付が停止されました。
外食業で起きた受け入れ制限は、決して特殊な事例ではありません。
特定技能制度には、分野ごとに受入れ上限(枠)が設定されています。この上限に達すると、新規の在留資格認定証明書の発行が制限されます。
つまり、採用したくても制度上受け入れられない状態になる ということです。
現在のデータから見る限り、複数分野で上限に近づく動きが見られており、今後は同様の状況が他分野でも起こる可能性があります。
特定技能の「受け入れ停止」とは何か
特定技能制度には、分野ごとに「受入れ見込数」と呼ばれる上限枠が設定されています。
この枠は政府が産業界の需要予測をもとに定めたもので、枠に達した時点で新規の在留資格認定証明書の交付が停止されます。
この上限に達した場合、
・新規採用(海外からの受入れ)は制限
・既存人材は継続就労可能
となります。
受け入れ停止が起きると何が変わるか
| 状況 | 停止前 | 停止後 |
|---|---|---|
| 新規採用 | 申請・受入可能 | 新規申請不可(在留資格認定証明の交付停止、他在留資格・他分野からの在留資格変更申請不可) |
| 既存在籍者 | 就労継続可 | 就労継続は可能 |
| 同分野からの移籍 | 受入可 | 上限枠内での調整が必要 |
| 企業の採用計画 | 柔軟に設計可能 | 抜根的な見直しが必要 |
関連記事:特定技能とは?制度や他の在留資格、採用方法までわかりやすく解説
外食業はなぜ止まったのか——制度の仕組みから理解する
外食業の特定技能1号受入れ停止は、2026年4月13日付に実施されました。
特定技能「外食業分野」における受入れ上限は53,000人に設定されていましたが、急速な需要拡大によりこれを超過し、新規受付停止となりました。
この背景には以下の3つの要因があります。
① コロナ禍後の人手不足加速
外食業界は新型コロナウイルスの影響で一時的に外国人雇用を抑制していたものの、回復後に急速な採用需要が爆発しました。
② 「枠の拡張」が追いつかなかった
特定技能の受入枠は政府が5年ごとに設定します。産業現場の変化スピードに、受入枠の改定が追いつかなかった結果です。
③ 「まだ余裕がある」という油断
停止直前の2025年末時点でも、多くの事業者が「まだ大丈夫」と判断し、採用検討を先送りにしていました。停止の数ヶ月前から”駆け込み申請”が急増し、実際の停止は予測より前倒しになりました。
ポイント:外食業の停止は「他業種には無関係な出来事」ではありません。同じことが、どの分野でも起こりうる構造的な問題です。
関連記事:特定技能1号「外食業」受入れ停止で採用はどうなる?2026年4月13日以降の企業対応を徹底解説

【分野別タイムライン】次に止まるのはどこか
出入国在留管理庁の統計データをもとに、あくまでも当社が独自に分析・推計した結果です。警戒レベル「高」「中」「低」の3つのレベルで区分しています。
警戒レベル「高」:2026〜2027年に上限到達の見込み
① 自動車整備分野|上限:9,400人|上限到達予測:2027年1〜2月頃
2025年末時点の在留人数は4,560人。2023年→2024年→2025年にかけて増加人数ベースで約2.66倍のペースで加速しており、このままでは2027年初頭(1〜2月頃)に上限に達する試算です。
・上限枠9,400人は全分野の中でも最小水準
・整備士不足を背景に特定技能依存度が急上昇中
・実質的な猶予は1年強
| 年 | 在留人数(人) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年末 | 2,519人 | 実績 |
| 2024年末 | 3,076人 | 実績(前年比+557人) |
| 2025年末 | 4,560人 | 実績(前年比+1,484人)※約2.66倍 |
| 2026年末 | 8,507人 | 推定値 |
| 2027年末 | 19,018人 | 上限枠9,400人 到達(予測) ※2026年末時点で、8,508人と仮定し約1~2ヶ月で上限到達 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
② 宿泊分野|上限:14,800人|上限到達予測:2027年2〜3月頃
インバウンド需要の回復を背景に、2025年末時点の在留人数は1,968人と、2023年→2024年→2025年にかけて、前年比の増加人数は約4.8倍に拡大しており、急速な成長が続いています。
・増加ペースは全分野中トップクラス
・訪日客数の増加が今後も需要を押し上げる見込み
・2026年末に在留人数が8,000人超に到達し、上限の半数を超える見込み
| 年 | 在留人数(人) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年末 | 401人 | 実績 |
| 2024年末 | 671人 | 実績(前年比+270人) |
| 2025年末 | 1,968人 | 実績(前年比+1,297人)※約4.8倍 |
| 2026年末 | 8,193人 | 推定値 |
| 2027年末 | 38,079人 | 上限枠14,800人 到達(予測) ※2026年末時点で、8,194人と仮定し約2~3ヶ月で上限到達 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
関連記事:これからの宿泊観光業界どうなる?動向や現状、外国人材活用について
③ 飲食料品製造業分野|上限:133,500人|上限到達予測:2027年5~6月頃
2025年末時点の在留人数は93,393人。2023年→2024年→2025年にかけて増加人数ベースで約1.43倍のペースで加速しており、このままでは2027年春(4〜5月頃)に上限に達する試算です。外食業の停止により、食品加工との親和性が高い本分野への人材・企業ニーズの流入が加速すると予想されます。
・現在の増加率(前年比1.43倍)に外食業からの流入が加われば、予測より大幅に前倒しになるリスクあり
・食品製造業全体での採用競争が激化する見込み
| 年 | 在留人数(人) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年末 | 61,095 | 実績 |
| 2024年末 | 74,380 | 実績(前年比+13,285人) |
| 2025年末 | 93,393 | 実績(前年比+19,013人)※約1.43倍 |
| 2026年末 | 120,582 | 推定値 |
| 2027年末 | 133,500 | 上限枠133,500人 到達(予測) ※2026年末時点で、120,582人と仮定し約5〜6ヶ月で上限到達 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
関連記事:特定技能「飲食料品製造業」とは?採用の流れや注意点を徹底解説
④ 介護分野|上限:126,900人|上限到達予測:2027年6月頃
2025年末時点の在留人数は67,871人。2023年→2024年→2025年にかけて増加人数ベースで約1.47倍のペースで加速しており、このままでは2027年6月頃に上限に達する試算です。
・高齢化社会を背景に需要の安定性が高く、駆け込み申請が発生しやすい
・他分野の停止ニュースに反応した流入も加わり、実際のXデーはさらに前倒しになる可能性
| 年 | 在留人数(人) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年末 | 28,400 | 実績 |
| 2024年末 | 44,367 | 実績(前年比+15,967人) |
| 2025年末 | 67,871 | 実績(前年比+23,504人)※約1.47倍 |
| 2026年末 | 102,422 | 推定値 |
| 2027年末 | 126,900 | 上限枠126,900人 到達(予測) ※2026年末時点で、102,422人と仮定し約6ヶ月で上限到達 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
関連記事:特定技能「介護」外国人材の受け入れを解説:要件・費用・手続き
⑤ 農業分野|上限:73,300人|上限到達予測:2027年11月頃
2025年末時点の在留人数は37,952人。2023年→2024年→2025年にかけて増加人数ベースで約1.66倍のペースで加速しており、このままでは2027年秋(11月頃)に上限に達する試算です。技能実習からの移行に加え、新規入国も活発です。
| 年 | 在留人数(人) | 備考 |
|---|---|---|
| 2023年末 | 23,861 | 実績 |
| 2024年末 | 29,157 | 実績(前年比+5,296人) |
| 2025年末 | 37,952 | 実績(前年比+8,795人)※約1.66倍 |
| 2026年末 | 52,552 | 推定値 |
| 2027年末 | 73,300 | 上限枠73,300人 到達(予測) ※2026年末時点で、52,552人と仮定し約11ヶ月で上限到達 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
警戒レベル「中」:2028年に上限到達の見込み
| 分野 | 上限 | 到達予測 |
|---|---|---|
| 航空 | 4,900人 | 2028年4月頃 |
| 建設 | 76,000人 | 2028年5月頃 |
| 工業製品製造業 | 199,500人 | 2028年5月頃 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
警戒レベル「低」:2030年以降
| 分野 | 上限 | 到達予測 |
|---|---|---|
| 漁業 | 14,800人 | 2030年2月頃 |
| 造船・舶用工業 | 23,400人 | 2033年11月頃 |
| ビルクリーニング | 32,200人 | 2036年6月頃 |
※実際の増加ペースは政策変更・景気・採用環境により変動する可能性があります
受け入れ停止が企業に与える具体的なリスク
受け入れ停止はニュースの話ではなく、採用計画・事業運営に直結する経営リスクです。具体的には以下の影響が考えられます。
リスク① 採用計画の白紙化
「来年度から〇名採用する」という計画を立てていても、年度が始まる前に受付が停止されれば、計画は根本から見直しが必要になります。代替手段の確保が急務となりますが、日本人採用や他の在留資格では同等のコスト・スピードで確保できないケースがほとんどです。
関連記事:外国人採用で自社に合う在留資格を見極める実務ガイド
リスク② 既存チームの戦力ダウン
新規採用ができなくなれば、既存の特定技能人材の離職や帰国時に補充が効かなくなります。チームの戦力維持が困難になり、業務縮小を余儀なくされるリスクがあります。
リスク③ 競合他社との差がつく
早期に採用を完了した競合他社は、引き続き特定技能人材を活用できます。採用が間に合わなかった企業との間に、人材・コスト・サービス品質の差が生まれます。
リスク④ 「駆け込み」による手続き遅延
停止が近づくと申請が集中し、審査期間が長期化するケースがあります。停止直前に申請しても、在留資格の認定が間に合わない可能性があります。特定技能ビザの申請方法と必要書類を事前に理解し、余裕を持った準備が不可欠です。
企業が今すぐとるべき3つのアクション
アクション① 自社の分野を確認し、タイムラインを把握する
まずは自社の事業分野が上記のどのカテゴリに該当するかを確認してください。
警戒レベルが「高」の分野に属する企業は、2026年中に採用を完了させることを目標に計画を立てることを強く推奨します。
アクション② 採用スケジュールを「逆算」で組み直す
特定技能の採用は、求人→面接→内定→在留資格申請→入国→就労開始まで、最低でも3〜6ヶ月以上かかることが一般的です。「来年から採用しよう」では間に合わない可能性があります。上限到達予測の日付から逆算し、申請のデッドラインを設定してください。
アクション③ 支援機関・登録支援機関との連携を早期に始める
特定技能外国人の採用には、登録支援機関を通じた適切な支援体制の整備が必要です。
登録支援機関の選び方・役割を理解した上で、支援機関の選定・契約・体制整備に早期に着手することが重要です。
まとめ:採用の「タイムリミット」は想像より早い
特定技能制度の受入停止は、「外食業だけの問題」ではありません。
出入国在留管理庁のデータに基づく試算では、2027年中に自動車整備・宿泊・飲食料品製造・介護・農業の5分野が相次いで上限に到達する見込みです。
外食業の停止が示したのは、「制度には必ず上限がある」という現実です。その現実を前に、早期に動いた企業と、動けなかった企業の差は、今後数年で明確に出てくるでしょう。採用計画の見直し・登録支援機関の選定・申請準備など、いずれも「今すぐ」始めることが、リスクを最小化する唯一の方法です。
よくある質問(FAQ)
Q.受け入れ停止になったら、すでに雇用している特定技能外国人はどうなる?
既に在留資格を持つ特定技能外国人は引き続き就労できます。
停止の影響は「新規の在留資格認定申請、他在留資格・分野からの変更申請」に対してのみ発生します。
詳しくは外食業受入れ停止の詳細解説をご確認ください。
Q.受け入れ停止後に上限枠が拡大される可能性はあるか?
政府が上限枠を見直す場合があります。
ただし、拡大のタイミングや規模は事前に確定しておらず、停止期間中は新規採用が制限されます。
Q.特定技能2号なら制限を受けないのか?
2号特定技能外国人については、そのような上限はありません。
特定技能1号と2号の違いをご確認ください。2号は現時点で一部の分野に限定されており、すべての業種で活用できるわけではありません。
Q.登録支援機関はどう選べばいい?
登録支援機関の失敗しない選び方5つの秘訣で詳しく解説しています。
対応分野・実績・サポート体制・費用を比較することが基本です。
※本記事は、出入国在留管理庁データに基づく独自試算を参考に作成しています。
試算はあくまで推計であり、実際の上限到達時期は政府の制度変更等により変動する場合があります。
採用のタイムリミットが迫っています——まずは無料相談から
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