フィリピン人の特徴とは?仕事観と家族文化、成功する雇用方法5選
グローバル化が進む現代、日本でもフィリピン人と一緒に働く機会が増えています。
しかし、文化や価値観の違いから、戸惑いや誤解が生じることも少なくありません。
フィリピン人の特徴や性格を理解し、適切なコミュニケーションを取ることで、より良い職場環境を築くことができるでしょう。
フィリピン人と上手く協働するためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか?
今回は、フィリピン人の特徴や性格を深掘りし、一緒に働く際の重要なポイントをわかりやすく解説していきます。
フィリピン人の基本的な性格と仕事観
家族を大切にする文化
フィリピン人にとって、家族は人生の中心であり、その絆は非常に強いものです。
家族との繋がりを重視し、年配者や目上の人への尊敬心を忠実に示します。
また子供に関しては「子供は神様からの贈り物」という根本的な考えが根強くあります。
この家族重視の文化は、日々の生活や仕事にも大きな影響を与えています。
例えば、家族の誕生日や記念日は非常に重要視され、仕事よりも優先されることもあります。
一般的に3~4親等間までを家族として考えるため、
義兄弟や「おじ」「おば」にあたる両親の兄弟までも家族に含め、その関係を優先し行動する傾向が強いです。
フィリピンの国民的行事は圧倒的にキリスト教に関係したものが多く、
宗教が生活の一部になっている人が多いフィリピンでは、どれも盛大に行われます。
特にクリスマスは1年で最も重要な年中行事です。
9月に入ると街のあちこちでクリスマスの飾り付けが始まり、クリスマスソングが流れ始めます。
4ヶ月近く続くクリスマスムードは「世界一クリスマスが長い国」と言われるほど長い期間行われます。
このような家族を大切にする価値観は、職場でのチームワークや同僚との関係にも反映されます。
フィリピン人は、職場の仲間を「第二の家族」のように捉え、協力的で温かい雰囲気を作り出す傾向があります。
彼らの家族文化を理解し尊重することで、より良い職場環境を築くことができるでしょう。
ホスピタリティ精神
フィリピン人のホスピタリティ精神は、とても温かく、周囲を明るくする傾向にあります。
彼らは初対面の相手にも分け隔てなく接し、誰に対しても笑顔を絶やさない国民性を持っています。
この特性は、職場でも大きな強みとなります。
例えば、接客業や介護の現場では、フィリピン人スタッフの心地よい対応に、
お客様や患者様より高い評価を得ることが多いです。
彼らのコミュニケーション能力は、チーム内の雰囲気づくりにも一役買います。
家族のような温かさで同僚や仕事仲間と接し、職場の人間関係を円滑にする傾向があります。
このようなホスピタリティ精神は、フィリピンの文化や教育に深く根ざしています。
彼らの持つこの特性を理解し、適切に活かすことで、より良い職場環境を作り出すことができるでしょう。
日本との価値観の違い
日本とフィリピンの価値観の違いは、仕事に対する姿勢にも表れます。
日本人が時間厳守や規律を重んじるのに対し、フィリピン人はより柔軟な対応を好む傾向があります。
例えば、会議の開始時間が多少遅れても気にしない「フィリピノタイム」という概念が存在します。
待ち合わせた時間に人が来ないことや、予定通りに進まないことや、大幅に予定がずれることを「フィリピノタイム」と呼んでいます。
フィリピン人でも必ず守る時間、というものもちゃんと存在します。
それは飛行機と船の時間です。
フィリピンは島国のため、国内を移動する際に飛行機か船を利用しなければいけないのと、
決して安い乗り物ではないため、飛行機や船の時間を守ることがほとんどです。
また、日本では個人の成果よりもチームの調和を重視しますが、
フィリピンでは個人の能力や成果を積極的にアピールする文化があります。
これは、自己主張が苦手な日本人にとっては新鮮に感じる方もいらっしゃいます。
さらに、フィリピン人は仕事とプライベートの境界線が曖昧で、
職場での人間関係を家族のように大切にする傾向があります。
この特性を理解し、適切に対応することで、より良い職場環境を築くことができるでしょう。
フィリピン人と一緒に働くポイント
時間管理とコミュニケーション
フィリピン人の時間管理は、日本人とは異なる特徴があります。
「フィリピノタイム」という言葉があるように、約束の時間に遅れることが比較的許容される文化があります。
これは、人間関係を重視し、柔軟な対応を大切にする国民性の表れと言えるでしょう。
しかし、ビジネスの場面では時間厳守が求められることも多いため、適切なコミュニケーションが不可欠です。
例えば、会議の開始時間を15分早めに伝えるなど、工夫が必要かもしれません。
効果的なコミュニケーションのためには、フィリピン人の温かい人柄を理解し、友好的な関係を築くことが重要です。
直接的な指示よりも、丁寧な言葉遣いと笑顔を交えた対話が効果的でしょう。
また、家族や趣味の話題を取り入れることで、より良好な関係を構築できます。
英語能力と仕事の進め方
フィリピン人の英語能力は、アジア諸国の中でも高水準です。
フィリピンの公用語はタガログ語ですが、アジアで最も英語を話す人の割合が多い国がフィリピンです。
英語は第二言語として使用されており、初等教育から英語を学ぶことからフィリピン人の約93%が英語を話せると言われています。
この強みを活かし、グローバルなビジネス環境で円滑なコミュニケーションを図ることが期待できます。
フィリピン人の特徴として、計画性が不足し、時間に対する柔軟性が高い傾向が挙げられます。
フィリピン人は「今を楽しむ」ことを大事にしているので、その日その日で過ごす習慣が一般的で、
堅苦しい計画を立てることは一般的ではない傾向にあります。
フィリピンの文化の違いを理解する
フィリピンでは日本とは全く違う文化があるので、事前に知っておくことは大切です。
まず1つ目の違いは、1日5回食事をするということです。
フィリピンでは、ミリエンダ(間食)という文化があります。簡単に言えばおやつタイムです。
フィリピンの企業ではだいたい10時頃と15時頃に、ミリエンダ(間食)を取ります。
ほとんどのフィリピン人の約半数がミリエンダ(間食)をしている様子で、キッチンに行き食べたりデスクで食べたりしているようです。
何を食べるかは個人により異なりますが、サンドイッチやパン、
クッキーやカップケーキなど細かい決まりはないそうです。
日本の企業ではほとんどが1時間休憩なので、入社前に伝えておくことで認識の違いやトラブルを防ぐことに繋がるでしょう。
2つ目の違いは、フィリピンの給料日は月に2回あることです。
日本では労働基準法により、毎月最低1回の支払いが義務付けられていますが、
同じようにフィリピン労働雇用省(Department of Labor and Employment)によって
法律が定められています。
給料が2回ある理由としては、給料を一気に使い込んで月末に困ることがないようにと、給料が月に2回支給されるのが一般的です。
またフィリピン人は貯金をするのが苦手な一面もあり、
給料をもらったらすぐに欲しいものを買ってしまう傾向にあります。
日本の給与形態とは違うことから、フィリピン人を雇用した際に混乱が起こらないよう、事前にしっかりと説明することが大切です。

フィリピン人を雇用するには?
MWO(旧POLO)申請が必要
フィリピン人を雇用したい場合は、MWO(旧POLO)申請が必要となります。
MWOとは、フィリピン政府が日本で働くフィリピン人労働者とその家族の福祉を保護し、
支援するための事務所のことです。
MWOはこれまでPOLOという名称でしたが、DMWの新設に伴い名称が変更されました。
日本にはMWO東京(在東京フィリピン共和国大使館 移住労働者事務所)と、MWO大阪(在大阪フィリピン総領事館 移住労働者事務所)の2つがあります。
MWOの申請が必要な理由としては、最終的に雇用するフィリピン人にOEC(Overseas Employment Certificate:海外雇用許可証)を取得してもらうためです。
フィリピン人はOECがないと、海外で働くことができません。
このOECを取得するためには、DMWのシステムに雇用主の情報が登録されている必要があるため、
フィリピン人雇用で必須の手続きです。
フィリピン政府公認の送り出し機関を介すのが原則(技能実習・特定技能)
フィリピン政府は海外企業による直接採用を原則禁止しているため、フィリピン政府の認可を受けた現地の送り出し機関を介して採用活動を行うケースがほとんどです。
なので、日本企業がフィリピン人材を雇用したい場合、送り出し機関を探し、契約を結ぶところから始めます。
送り出し機関は、DMWの公式Webサイトから検索することが可能です。
また、手続を委託する場合がほとんどなので時間と費用がかかる点に留意が必要です。
フィリピン在住のフィリピン人を雇用する流れ
- 1.DMWの公式Webサイトから送り出し機関を探し、契約を結ぶ
- 2.申請書類を作成し、MWO東京またはMWO大阪に提出
- 3.POLOによる審査通過後、面接日程通知が届く
- 4.POLOと受け入れ企業の面接(面接は英語、通訳同行可)
- 5.面接通過後、返送された書類一式を送り出し機関に提出、
送り出し機関を通してDMWシステムに情報が登録される - 6.DMWシステムへの情報反映後、人材募集開始。面接・人選、在留資格申請を行う
- 7.在留資格を取得後、フィリピン人材本人が現地の日本大使館に行く。在留資格認定証明書を提出、
ビザの発給を受ける - 8.契約したエージェントがDMWに海外就労認定証の発行を申請し、承認をもらう
- 9.フィリピンの出国、日本への入国が可能になる
※既に国内で働いている人材を採用する場合でも、上記の手続きが必要です
※技術・人文・国際などの高度人材ビザの場合は、5・6は省略され本人が現地で手続を行います。
まとめ
フィリピン人は、ホスピタリティに溢れておりフレンドリーなことが特徴です。
国民性を理解した上で、面接を行うことで認識の違いやトラブルを防ぐことができるでしょう。
日本人とも相性がよいとされているため、採用検討をしてみてはいかがでしょうか。
フィリピン人を採用するには、独自のルールとプロセスの理解が必要です。
採用するまでに少し複雑ですが、国の管理がしっかりしている分、雇用後のトラブルなどが起きにくいと言われています。
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