特定技能求人票のフォーマット【公式様式と記載項目の完全ガイド】

特定技能外国人の採用を進めるにあたって、「求人票のフォーマットはどれを使えばいいの?」「記載項目に漏れがないか不安…」とお悩みではありませんか?実は、特定技能の求人票には出入国在留管理庁の雇用条件書やハローワークの求人申込書など複数の公式様式があり、用途によって使い分けが必要です。
記載内容に不備があると在留資格の審査でやり直しになるケースも少なくありません。
本記事では、公式フォーマットの入手先から項目別の記入例、分野ごとの注意点まで、求人票作成に必要な情報をまるごと解説します。
特定技能求人票に使用する公式フォーマット
特定技能求人票のフォーマットは、利用目的に応じて主に2種類の公式様式が用意されています。
まず、在留資格の申請手続きで必要となるのが、出入国在留管理庁が公開している「雇用条件書(参考様式第1-6号)」です。これは特定技能外国人と雇用契約を結ぶ際の労働条件を、入管に正式に届け出るための書類にあたります。出入国在留管理庁の公式サイトからダウンロード可能で、英語やベトナム語など10言語の翻訳版も用意されています。
次に、ハローワークで求人を掲載する際に使用するのが、厚生労働省が提供する「求人申込書」です。こちらは厚生労働省の公式ページからダウンロードできるほか、求人者マイページを使えばオンラインでの申し込みにも対応しています。
※出典:求人申込み手続きについてのご案内(様式ダウンロード等)
「どちらを使えばいいの?」と迷う方も多いのですが、結論から言えば、両方必要になるケースがほとんどです。
雇用条件書は入管への申請用、ハローワーク求人申込書は国内での人材募集用と、役割がまったく異なります。それぞれの様式に記載する内容の詳細については、次のセクションで順に解説していきます。
出入国在留管理庁「雇用条件書(参考様式第1-6号)」
「雇用条件書(参考様式第1-6号)」は、在留資格認定証明書の交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請のいずれにおいても提出が求められる公式書類です。
つまり、特定技能外国人を新たに海外から呼び寄せる場合も、すでに日本にいる留学生や技能実習生から在留資格を切り替える場合も、この様式が必要になります。 ダウンロードは出入国在留管理庁の公式ページ(「在留資格『特定技能』に関する参考様式(新様式)」)から行えます。 用意されている言語は、英語・ベトナム語・中国語・インドネシア語・タガログ語・タイ語・ミャンマー語・カンボジア語・モンゴル語・ネパール語の10言語です。 外国人本人が内容を正しく理解できるよう、母国語版と日本語版をセットで作成するのが基本となります。
また、見落としがちなポイントとして、雇用条件書には別紙「賃金の支払」が含まれています。 基本給や各種手当だけでなく、税金・社会保険料などの控除項目も記載する欄が設けられており、外国人が手取り額を把握できる構成になっています。 雇用条件書と別紙はセットで一つの書類ですので、提出時に別紙の添付を忘れないよう注意してください。 記載内容は後の雇用契約書や支援計画書とも連動するため、正確な情報を記入することが、申請手続き全体をスムーズに進める鍵となります。
ハローワーク「求人申込書」
ハローワーク経由で特定技能外国人を採用する場合に使用するのが、厚生労働省が提供する「求人申込書」です。 この様式は厚生労働省の公式ページからPDFでダウンロードできます。 窓口へ足を運ばなくても、求人者マイページに登録すればオンラインで求人の申し込みから内容の修正まで完結します。 求人申込書には「フルタイム用」と「パートタイム用」の2種類が用意されています。 ただし、特定技能外国人の雇用ではフルタイムでの雇用が求められ、原則として労働日数は週5日以上かつ年間217日以上でなければなりません。
記載する項目は、業務内容・就業場所・賃金・労働時間・休日・社会保険の加入状況など、一般的な求人票とほぼ同じ構成です。 ただし、前のセクションで紹介した雇用条件書とは書式も提出先も異なるため、それぞれの様式をどう使い分けるかが次のポイントになります。
どのフォーマットを使うべきか【使い分けの判断基準】
特定技能の求人票のフォーマットで迷った場合は、まず「何のために使う書類なのか」を整理することが重要です。雇用条件書(参考様式第1-6号)は、特定技能の在留資格に関する全ての申請(認定・変更・更新)で提出が求められる入管庁の公式書類であり、提出しなければ申請は受理されません。 海外からの呼び寄せでも、国内での在留資格変更でも必ず必要になる点がポイントです。
一方の ハローワーク求人申込書 は、国内で人材を募集するための厚生労働省の書式であり、求人者マイページを使えばオンラインで登録・修正・公開まで完結します。ただし 建設分野の特定技能では、ハローワークへの求人掲載が受入れ要件として正式に定められているため、該当企業は必ずハローワーク提出が必要です。
どちらの様式を作る際も最も重要なのは、記載内容の完全な整合性です。
賃金・労働時間・就業場所・業務内容に不一致があると、入管審査で矛盾として指摘され、手続きが止まる原因になります。
また、独自の求人票(自社サイト・紹介会社向け)を作成する場合も、内容は雇用条件書(参考様式第1-6号)をベースに統一 することが必須です。公式様式と条件が食い違うと、後続の 雇用契約書(第1-5号) や 支援計画書(第1-17号) との整合性が崩れ、申請全体に影響します。
※全部委託の場合の記入例:支援計画書(第1-17号)
※複数の場合の記入例:支援計画書(第1-17号)
人材マッチングプラットフォームでの求人掲載
ハローワークだけが採用チャネルではありません。近年は、特定技能外国人に特化した人材マッチングプラットフォームの活用が広がっています。 こうしたプラットフォームの強みは、すでに日本国内に在住する特定技能外国人や、特定技能評価試験の合格者と直接マッチングできる点にあります。ハローワークでは出会いにくい層にもアプローチできるため、採用の幅が大きく広がります。
例えば、Stepjobのような外国人専門のマッチングプラットフォームでは、求人の掲載から候補者とのやり取り、さらには入職後の定着支援までを一つのサービス内で完結させられます。採用コストを抑えながら、自社に合った人材を効率よく見つけたい企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。 プラットフォームごとに求人掲載のフォーマットは異なりますが、記載する項目の中身は雇用条件書と基本的に同じです。業務内容・賃金・労働時間・住居サポートなど、前のセクションで解説した必須項目をベースに入力すれば問題ありません。 もちろん、ハローワークとの併用も可能です。複数のチャネルを並行して活用すれば、より多くの候補者にリーチでき、採用のスピードと質の両方を高められます。
特定技能求人票の必須記載項目
特定技能求人票のフォーマットに記載すべき項目は、企業が自由に決められるわけではありません。雇用条件書(参考様式第1-6号)に盛り込む項目は、出入国在留管理庁の省令や労働基準法によって定められています。
なぜ法令で項目が指定されているのかというと、外国人労働者が母国語で労働条件を正しく理解し、不利な条件で働かされることを防ぐためです。 記載が不十分な場合、在留資格の審査で不許可となるリスクもあるため、漏れなく対応する必要があります。 必須記載項目は、大きく以下のカテゴリーに分かれます。 各項目の具体的な記載ルールや注意点は、次のセクションからカテゴリーごとに詳しく解説していきます。
契約期間・就業場所
特定技能1号の在留期間は通算で最長5年と定められています。
そのため、雇用契約の期間もこの上限を超えて設定できません。 たとえば、すでに3年間の在留実績がある方を採用する場合、残りの在留可能期間は最大2年です。にもかかわらず3年契約を結んでしまうと、在留資格の審査段階で矛盾を指摘される原因になります。契約期間を記載する際は、対象者の在留状況を事前に確認しておくことが欠かせません。
なお、特定技能2号には通算の在留期間上限がないため、契約期間の制約は1号ほど厳格ではありません。
あわせて読みたい記事:特定技能1号と2号の違いとは?在留期間・取得方法など7つの違いをわかりやすく解説
就業場所についても、注意すべきポイントがあります。
雇用条件書には、実際に業務を行うすべての事業所の名称と所在地を記載する必要があります。本社で契約しても実際の勤務先が工場や支店であれば、その所在地を明記しなければなりません。 複数拠点で勤務する可能性がある場合は、すべての候補地を漏れなく記載してください。記載のない場所で就労させると、許可された条件と実態が食い違い、コンプライアンス上の問題に発展しかねません。特定技能で派遣形態が認められている農業・漁業分野では、派遣元だけでなく派遣先の事業所情報も求人票に記載する必要があります。派遣先が複数ある場合も同様に、すべての事業所名と所在地を明示します。 契約期間と就業場所は、後続の雇用契約書や支援計画書にもそのまま反映される重要項目です。
業務内容・分野・業務区分
業務内容を求人票に記載する際は、特定産業分野(12分野)のうち、どの分野に該当するかを明示したうえで、業務区分まで正確に記載する必要があります。 「製造業務」「介護の仕事」といった抽象的な表現では、入管の審査で内容不十分と判断されるおそれがあります。 求職者側も、具体的な作業がイメージできなければ応募の判断がつきません。
分野ごとの記載例を挙げると、次のようになります。
・素形材・産業機械・電気電子情報製造業:「自動車用樹脂部品の射出成形・検品作業」
・介護:「住宅型有料老人ホームでの食事介助・入浴介助・記録作成」
・飲食料品製造業:「コンビニ向け弁当のライン盛り付け・包装・出荷準備」
・外食業:「レストランでの調理補助(仕込み・加熱調理・盛り付け)およびホール接客」
このように、施設の種類や製品名、使用する設備・工程まで踏み込んで書くと、求職者の理解度が格段に上がります。 もうひとつ押さえておきたいのが、付随業務の割合です。
特定技能の業務区分に直接該当しない作業(清掃や資材運搬など)は、業務全体の1/2未満に収める必要があります。この上限を超えると、在留資格の要件を満たさなくなるため、求人票の段階から主たる業務と付随業務のバランスを意識して記載しておくことが大切です。
あわせて読みたい記事:特定技能とは?制度や他の在留資格、採用方法までわかりやすく解説!
労働時間・休日休暇
特定技能外国人の雇用では、フルタイム勤務が必須条件です。
具体的には、週30時間以上かつ年間217日以上の労働が求められます。パートやアルバイトとしての雇用は認められないため、求人票には所定労働時間をフルタイムの基準を満たす形で記載しなければなりません。 所定労働時間に加えて、休憩時間、残業の有無と月あたりの平均残業時間も明記します。残業時間は外国人求職者が応募を判断するうえで特に気にするポイントなので、「月平均〇時間」と数字で示しておくと親切です。
休日・休暇については、以下の項目を記載します。
・週休制度(完全週休2日制、シフト制など)
・年次有給休暇(法定どおり、入社6か月経過後に10日付与など)
・特別休暇(慶弔休暇、夏季休暇など)
変形労働時間制を採用している企業も少なくありません。1か月単位や1年単位の変形労働時間制を導入している場合は、「変形労働時間制あり(1年単位)」と明記し、繁忙期・閑散期の労働時間の幅を具体的に記載する必要があります。記載が不明確だと、入管審査で補正を求められたり、入社後のトラブルにつながったりするため注意が必要です。 労働時間と休日の条件は、このあと解説する賃金の計算根拠にも直結します。
特に、介護分野の特定技能では、夜勤が可能かどうかを重視する外国人求職者が多い傾向があります。理由は明確で、夜勤に入ることで 夜勤手当が支給され、総支給額が増える ためです(介護現場では一般的な処遇)このため、介護分野の求人票を作成する際は次の項目を追加すると応募が集まりやすくなります。
・夜勤の有無
・夜勤回数の目安(月◯回程度)
・夜勤手当の金額(1回◯円)
・夜勤体制(2名体制・3名体制など)
夜勤がある職場の場合、「夜勤あり|月◯回|夜勤手当 1回◯円」のように具体的に記載することで、求職者が応募判断しやすくなり、結果として応募数アップに繋がります。
賃金・昇給・賞与
賃金の記載では、まず基本給の月額(または時間額)を明示します。
加えて、通勤手当・住宅手当・資格手当などの固定手当、時間外労働手当(残業代)の計算方法と単価も個別に記載が必要です。 特定技能制度では、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払うことが求められます。この「同等報酬要件」を満たしていない場合、在留資格の審査で不許可となるため、経験年数や技能レベルが近い日本人社員の給与水準を根拠として示せるよう準備しておく必要があります。
控除項目についても求人票に明記します。具体的には以下のとおりです。
・所得税
・住民税
・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・社宅費や食費など(該当する場合)
外国人求職者にとって「手取り額がいくらになるか」は応募を左右する重要な判断材料です。
控除の内訳を事前に開示しておくと、入社後の「聞いていた金額と違う」というトラブルを防げます。 賃金の締日と支払日(例:毎月末日締め・翌月15日払い)も雇用条件書への記載が必須です。 昇給制度については、有無だけでなく「年1回、人事評価に基づき改定」など条件を具体的に記載します。賞与も同様に、「年2回(7月・12月)、業績に応じて支給」のように時期と基準を示すと、求職者が将来の収入をイメージしやすくなります。
福利厚生・住居サポート
社会保険への加入は、特定技能求人票のフォーマットにおいて必ず明記すべき項目です。
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つは、特定技能外国人を雇用する企業に加入義務があります。「加入済み」とだけ書くのではなく、4種類それぞれを列記しておくと、制度に不慣れな求職者にも伝わりやすくなります。 福利厚生のなかで、外国人求職者が最も注目するのが住居サポートです。来日直後は賃貸契約のハードルが高く、保証人の確保や初期費用の負担が大きな不安材料になります。そのため、社宅や寮を提供する場合は以下の情報を具体的に記載してください。
・個室か相部屋か – 部屋の広さ(例:6畳・約10㎡)
・家具家電の有無(ベッド・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)
・月額の自己負担額(例:月20,000円を給与から控除)
・敷金、礼金の有無
住居を直接提供しない場合でも、物件探しの代行や契約手続きの同行、家賃補助の金額といった支援内容を書いておくと、応募への安心感が高まります。 加えて、通勤手当の支給条件、食事補助の有無、年1回の健康診断実施なども記載しておきたい項目です。こうした生活に密着した情報の充実度が、求人票の訴求力を左右します。
特定技能は、「義務的支援10項目」として物件探しやライフラインなどサポートをすることが必須とされています。ただ支援をする際に負担が大きく、簡単に受け入れることができないと思っている方もいらっしゃいます。工数を減らし確実に支援をしたい場合は、登録支援機関に委託することをおすすめします。
あわせて読みたい記事:登録支援機関とは?特定技能の専門家が図解で徹底解説
特定技能求人票の書き方と記入のポイント
特定技能求人票のフォーマットに必須項目を正しく記入するのは、あくまでスタートラインです。 法令を守った求人票であっても、それだけで応募が集まるわけではありません。外国人求職者が本当に知りたいのは、「手取りはいくらか」「寮にはどんな設備があるか」「同じ国の仲間はいるか」といった、日々の暮らしに直結する情報です。
こうした生活面の情報を具体的に書き込んだ求人票と、必須項目だけを埋めた求人票とでは、応募数に明確な差が出ます。 母国を離れて働く外国人にとって、職場の条件以上に「安心して生活できるかどうか」が就職先を選ぶ最大の判断基準になるからです。 求人票は単なる届出書類ではなく、求職者との最初のコミュニケーションツールでもあります。 ここからは、その具体的な書き方とポイントを項目ごとに解説していきます。
業務内容は具体的に記載する
業務内容を記載する際、「製造スタッフ」「作業員」といったあいまいな表現だけで済ませていないでしょうか。 日本語が母語でない求職者にとって、抽象的な職種名だけでは実際の仕事内容をイメージできません。 結果として、入社後に「思っていた仕事と違った」というミスマッチが起き、早期離職につながるケースが少なくありません。 こうした事態を防ぐには、製品名・工程・使用する機械などを具体的に書くことが重要です。 業種別に良い例と悪い例を比較してみます。
【飲食料品製造業】
✕「食品製造スタッフ」
◯「冷凍弁当の盛り付け・パック詰め作業(ベルトコンベア使用)」
【素形材・産業機械・電気電子情報製造業】
✕「工場での製造作業」
◯「自動車用アルミ部品の鋳造・バリ取り作業(ダイカストマシン操作あり)」
【介護】
✕「介護業務全般」
◯「特別養護老人ホームでの入浴介助・食事介助・レクリエーション補助」
具体的に書かれた求人票は、求職者自身が「自分にできる仕事かどうか」を判断する材料になります。 とくに日本語力がまだ十分でない方には、作業名や道具の名称が明記されているだけで理解度が大きく変わります。 なお、業務内容の記載は雇用契約書や支援計画書とも整合性が求められるため、求人票の段階から正確に書いておくと、後の書類作成もスムーズに進みます。

賃金は日本人と同等以上であることを示す
特定技能外国人の賃金を設定する際、最も注意すべきなのが「同等報酬要件」です。
同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払う義務です。 この要件に違反すると、在留資格の審査で不許可となるだけでなく、既に雇用している外国人の在留資格更新にも影響が及びます。 具体的には、基本給だけでなく、通勤手当・住宅手当・資格手当などの各種手当を含めた総支給額で日本人との比較が行われます。 「基本給は同じだが、日本人にだけ手当を上乗せしている」といったケースも要件違反と判断される可能性があるため、給与体系全体での整合性が求められます。
比較対象となるのは、経験年数や技能レベルが同程度の日本人社員です。 新卒入社の日本人と、母国で数年の実務経験を持つ特定技能外国人を比べるのではなく、同じ職務内容・同じキャリアステージの社員を基準にしてください。
もう一つ見落としやすいのが、求人票に記載する金額の表記方法です。
求人票には手取り額ではなく、所得税・社会保険料・住民税などを差し引く前の総支給額(額面)を明示する必要があります。 外国人求職者は手取り額を重視する傾向がありますが、控除前の金額を正確に記載したうえで、控除項目の内訳を別途示す書き方が適切です。 ハローワークに掲載した日本人向け求人票の給与額を下回る条件を特定技能外国人に提示した場合、書類上の矛盾として審査段階で指摘されるリスクがあります。 複数の書類間で賃金情報にずれが生じないよう、求人票・雇用条件書・雇用契約書の金額は必ず一致させておくことが重要です。
住居サポートの詳細を明記する
住居の確保は、外国人求職者が就職先を選ぶうえで賃金と並ぶ最重要ポイントです。
来日直後の外国人は、日本の賃貸契約の仕組みに不慣れなだけでなく、保証人の確保や高額な初期費用がハードルとなり、個人での住居探しが難航するケースが多く見られます。 だからこそ、求人票に住居サポートの内容を具体的に書いておくと、応募への心理的なハードルが大きく下がります。
サポートの境界線があいまいだと、入社後にトラブルの原因になります。 住居情報の充実度は、求人票全体の信頼感を左右します。 次に解説する多言語対応と組み合わせれば、求職者への訴求力はさらに高まります。
多言語での記載が必要な項目
雇用条件書は、特定技能外国人本人が理解できる言語で作成する義務があります。
日本語だけの書類を渡して「署名してください」では、労働条件の説明義務を果たしたことになりません。 出入国在留管理庁は、英語・ベトナム語・中国語・インドネシア語・タガログ語・タイ語・ミャンマー語・カンボジア語・モンゴル語・ネパール語の10言語で雇用条件書のフォーマットを公開しています。 対象の国籍であれば、公式サイトからダウンロードしてそのまま活用できるため、ゼロから翻訳する手間は省けます。 実務上のポイントとして、母国語版と日本語版の両方をセットで作成してください。 母国語版だけでは行政手続きに対応できず、日本語版だけでは本人の理解が不十分になるからです。
ただし、公式フォーマットはあくまで定型の項目をカバーしたものにすぎません。 自社独自の手当制度や福利厚生の説明、業界特有の専門用語を含む業務内容の記載については、機械翻訳だけでは誤訳やニュアンスのずれが生じるリスクがあります。 正確さが求められる箇所は、特定技能分野に精通した翻訳会社への外注も選択肢に入れておくと安心です。
多言語対応の質は、求職者が「この会社は外国人を大切にしてくれる」と感じるかどうかを左右する重要な要素といえます。
特定技能求人票作成時の注意事項
特定技能求人票のフォーマットを作成する際、最も気をつけたいのが差別的表現の排除です。 職業安定法では、求人票に性別・年齢・国籍・人種による制限を記載することが禁止されています。 「男性のみ」「〇〇国籍の方優遇」といった表現は明確な法令違反にあたるため、特定技能求人票のフォーマットにこうした文言を含めてはいけません。
ただし、風俗営業法に基づく年齢制限など、業務上の合理的な必要性がある場合は例外として認められるケースもあります。 一方で、宗教や文化への配慮を示す記載は問題ありません。
具体的には以下のような内容です。
・礼拝室の設置あり
・ハラール食対応の社員食堂
・宗教行事への休暇配慮
これらは制限ではなく「受け入れ環境の情報提供」であり、外国人求職者にとって安心材料となります。 差別と配慮の線引きを正しく理解し、法令を守りながらも働きやすさが伝わる求人票を目指していきましょう。
差別的表現の禁止
求人票で禁止される差別的表現について、もう少し具体的に見ていきましょう。
職業安定法第3条では、人種・国籍・性別・社会的身分などを理由とした差別的な取り扱いが禁止されています。
この規定は求人票の記載内容にも適用されるため、以下のような表現は使用できません。
・「男性のみ募集」「女性歓迎」など性別を限定する表現
・「〇〇国籍の方優遇」「△△出身者限定」など国籍・出身地による制限
・「30歳以下」など合理的理由のない年齢制限
なぜこれほど厳格なのかというと、外国人労働者は言語や情報の壁から不利な立場に置かれやすく、採用段階での差別が雇用後の待遇格差につながりやすいためです。
ただし、風俗営業法など法令に基づく年齢制限や、芸術作品で特定の外見が必要な場合など、業務上の合理的な理由がある場合は例外が認められます。 一方、宗教・文化面の配慮を伝える記載は差別にはあたりません。 「礼拝室あり」「ハラール食対応可」といった情報は、求職者が安心して応募できる判断材料になります。 禁止されるのは「制限」であり、「配慮の発信」は積極的に行うべきだという点を押さえておいてください。
フルタイム勤務要件
特定技能外国人の雇用形態には、明確なフルタイム要件が設けられています。
具体的には、週30時間以上かつ年間217日以上の労働が求められます。 この基準を満たさないアルバイト・パート・日雇いといった雇用形態では、特定技能外国人を受け入れられません。 なぜここまで厳格なのかというと、特定技能制度は「人手不足の分野で即戦力となる外国人材を安定的に確保する」ことを目的としているためです。 短時間や不安定な雇用では、制度の趣旨そのものと矛盾してしまいます。
また、複数の事業所でのかけもち就労(副業)も原則として認められていません。
在留資格で指定された受入れ機関での就労に限定されるため、求人票にもフルタイム勤務である旨を明記してください。 なお、農業・漁業分野では例外的に派遣形態が認められていますが、あくまで常用型派遣に限られ、登録型派遣は不可です。 派遣元との安定した雇用関係が前提となる点は、求人票を作成するうえでも見落とせないポイントといえます。
ハローワークへの求人掲載義務(特定分野)
特定技能制度には、「国内で人材を確保する努力を尽くしたうえで、それでも不足する場合に外国人を受け入れる」という大前提があります。 この原則を踏まえ、建設分野では、ハローワークへの求人掲載が義務として明確に定められています。建設分野以外でも、国内人材確保の努力を示す証拠として、ハローワークへの掲載が実質的に求められるケースは少なくありません。
在留資格の申請時には、「ハローワークに求人を出したものの、応募がなかった」「応募はあったが採用に至らなかった」ことを証明する書類の提出が必要です。具体的には、ハローワーク求人票のコピーや、募集結果を示す書類が求められます。
掲載にあたって注意したいのは、以下のポイントです。
・求人条件は日本人向けと同一にする(外国人専用の低い条件は不可)
・定期間以上の掲載実績を確保する
・掲載内容と雇用条件書の記載に矛盾がないよう整合性を確認する
「形だけ掲載すればよい」と考えてしまうと、入管審査で国内募集の実態が不十分と判断されるリスクがあります。求人票の内容や掲載期間まで含めて、計画的に準備を進めておくことが重要です。
特定技能求人票作成でよくある質問
特定技能求人票のフォーマットに関して、実務で寄せられることの多い疑問をQ&A形式で整理しました。
Q1. 雇用条件書と実際の労働条件が異なる場合はどうなりますか?
雇用条件書の内容と実態が異なる場合、在留資格の取消し事由に該当する可能性があります。労働基準法上も、労働条件の明示義務違反として問題になるため、記載内容は正確に反映させる必要があります。
Q2. 求人票の記載内容は後から変更できますか?
変更自体は可能ですが、すでに在留資格申請を進めている場合は、入管への届出や書類の差し替えが必要になります。ハローワーク求人票も、求人者マイページから修正できます。
ただし、特定技能の在留申請を進めている場合は、
・入管に提出した書類との整合性が必要
・条件変更が発生した場合は、雇用条件書・雇用契約書の差し替え が必要
・審査中なら補正(追加資料要求)対象になる場合がある
という実務上の注意があります。
Q3. 登録支援機関に求人票の作成を依頼できますか?
登録支援機関の支援業務には求人票作成の代行は含まれていません。ただし、雇用条件書の記入についてアドバイスを受けられるケースはあります。
Q4. 求人票に記載した条件は雇用契約書にも反映が必要ですか?
はい、求人票・雇用条件書・雇用契約書の内容を一致させる必要があります。書類間で矛盾があると、在留資格審査で不許可となるリスクが高まります。
Q5. ハローワーク求人票と雇用条件書の内容が異なる場合は?
特にハローワーク求人票で提示した日本人向けの給与額より、特定技能外国人の雇用条件書の賃金が低いと、同等報酬要件違反と判断される恐れがあります。両方の書類は必ず整合性を確認してください。
Q6. 特定技能2号の求人票は1号と同じフォーマットですか?
基本的なフォーマットは同じ参考様式第1-6号を使用します。ただし、2号は在留期間の上限がなく家族帯同も認められるため、契約期間や福利厚生の記載内容が変わってきます。
まとめ
特定技能求人票のフォーマットは、出入国在留管理庁の「雇用条件書(参考様式第1-6号)」と、厚生労働省のハローワーク求人申込書の2種類が基本です。 求人票に記載すべき必須項目は、以下のとおりです。
・業務内容 / 分野 / 業務区分
・賃金(基本給・手当・控除項目)
・労働時間 / 休日休暇
・契約期間 / 就業場所
・福利厚生 / 住居サポート
これらの項目を正確に記載することは法令遵守の観点で欠かせません。
一方で、住居の設備や手取り額の目安など、外国人求職者が本当に知りたい情報を具体的に盛り込むことが、応募数を左右します。
ハローワークや自社採用サイトに加え、特定技能専門の人材マッチングプラットフォームも有力な選択肢です。 たとえばStepjobでは、特定技能試験合格者や在留資格保有者と直接マッチングでき、求人掲載から採用後の生活サポートまで一貫した支援を受けられます。 採用からその後の支援まで含めたサポートが必要な場合は、登録支援機関や行政書士など専門家への相談も検討してみてください。
Stepjobとは?
Stepjobは、紹介人数2000人以上の実績があります。また、外国人人材紹介のほか外国人の生活周りにおける支援業務も行っております。
特定技能介護人材向けには株式会社ECC様と組んで介護福祉士国家試験対策クラスも提供。入職後にも手厚くサポートしております。内定が決まった求職者に対して、日本の生活編・仕事編についてStepjobから研修動画を提供します。
外国人の定着率は「95% 」(※内定後6ヶ月)なので、外国人採用に不安を感じている方や、
外国人を採用しても定着率が低いとお悩みの方は、ぜひご相談ください。
Stepjobの採用方法は「人材紹介」「スカウト」「掲載」の3種類あり、企業様に合わせて採用方法を選ぶことができます。







