
「スリランカ人」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。
実は日本とスリランカの関係は深く、仏教という共通の精神文化を持ち、長年にわたる友好関係を築いてきた国です。
近年、外国人材の採用を検討する企業が増える中で、高い教育水準と英語力を兼ね備えたスリランカ人材が注目を集めています。
しかし、性格や仕事観、文化的背景を十分に理解せずに採用すると、ミスマッチが生じる可能性も。
本記事では、スリランカ人の特徴を基礎知識から実践的な採用ポイントまで、人事・採用担当者の視点で徹底的に解説します。
数字で見るスリランカと在日スリランカ人の今

① 人口・地理・言語
スリランカは、インド南東のインド洋に浮かぶ島国で、「インド洋の真珠」とも称される美しい国です。
国土面積は約6.6万平方キロメートルで、北海道よりやや小さいです。 首都はスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテですが、経済の中心地はコロンボとなっています。 人口は約約2,204万人(外務省)で、シンハラ人が約75%、タミル人が約15%を占める多民族国家です。
公用語はシンハラ語とタミル語ですが、採用担当者の方に特に注目していただきたいのが英語の普及率です。ビジネスシーンや高等教育では英語が共通言語として広く使われており、多くのスリランカ人がビジネスレベルの英語でコミュニケーションできます。 この点は、グローバル展開を視野に入れる企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
② 文化・宗教・教育
スリランカは国民の約7割が仏教徒(主に上座部仏教)を占める一方で、ヒンドゥー教、イスラム教、キリスト教も共存する多宗教国家です。 仏教文化が根付いているという点で、日本との精神的な親和性が高く、「思いやり」や「調和を重んじる姿勢」といった共通の価値観が職場での関係構築にも好影響をもたらします。 さらに注目すべきは、スリランカの教育水準の高さです。 識字率は90%以上とアジアでもトップクラスを誇り、大学まで無償で学べる教育制度が整備されています。
こうした充実した教育環境が、優秀な人材を数多く輩出する背景となっているのです。 つまり、スリランカ人材は「高い基礎学力」と「学び続ける姿勢」を兼ね備えた人材であり、採用後の業務習得やスキルアップにおいても大きな期待が持てます。
③ スリランカと日本の繋がり
スリランカと日本は、1952年の国交樹立以来、70年以上にわたり良好な関係を築いてきました。
日本は道路、港湾、電力といったインフラ整備を中心に、長年にわたり政府開発援助(ODA)を提供してきた歴史があり、この支援がスリランカの親日感情の土台となっています。 こうした歴史的背景もあり、日本で暮らすスリランカ人の数は年々増加傾向にあります。 出入国在留管理庁の統計によれば、2025年6月末時点で約73,067人のスリランカ人が日本に在留しています。
主な在留資格としては、「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「留学」などが挙げられます。 IT技術者やエンジニアとして日本企業で活躍する方、特定技能制度を活用して介護や製造業で働く方、そして将来のキャリアを見据えて日本語や専門知識を学ぶ留学生など、在日スリランカ人は多様な形で日本の社会や経済に貢献しています。
よく言われるスリランカ人の性格・国民性の特徴7選
① 親日的で日本人をリスペクトしてくれる
スリランカ人の親日感情は、単なる好意的なイメージにとどまらず、長い歴史と深い信頼関係に根ざしています。
最も大きな要因として挙げられるのが、日本による継続的な支援です。日本は戦後から現在に至るまで、スリランカに対して道路、橋、港湾などのインフラ整備や教育支援を通じたODA(政府開発援助)を積極的に行ってきました。こうした支援に対する感謝の気持ちが、国民レベルで日本への好印象として定着しているのです。 加えて、両国に共通する仏教という精神文化も重要な要素です。互いに相手を尊重し、調和を重んじる価値観は、職場でのコミュニケーションにおいても良い影響をもたらします。
さらに、日本製品の高い品質や技術力への憧れも根強くあります。
自動車や家電製品といった「Made in Japan」ブランドは信頼の象徴として認識されており、日本で働くことや日本企業と関わることを誇りに感じる方が多いのです。 このような背景から、在日スリランカ人は日本人や日本文化に対してリスペクトを持って接してくれる傾向が強く、採用後の良好な関係構築がしやすいという利点があります。
② 家族や仲間を大切にする
スリランカ人の性格を語る上で欠かせないのが、家族や仲間を何よりも大切にする深い絆の文化です。
彼らにとって家族は単なる血縁関係を超えた、人生における最優先事項であり、親戚や友人との繋がりも非常に強固なものがあります。この強い共同体意識は、仕事へのモチベーションにも直結しています。 実際、多くのスリランカ人が「家族を支えるために」「家族に良い生活を提供するために」という明確な目的を持って働いています。この家族思いの姿勢は、責任感の強さや長期的な就労意欲として表れることが多く、採用担当者にとっては心強い特徴と言えるでしょう。
一方で、家族の病気や冠婚葬祭といった家族の事情が発生した際には、仕事よりも家族を優先する場面も出てきます。これは「無責任」というわけではなく、彼らの価値観の中核をなす優先順位の違いです。 こうした文化的背景を理解し、柔軟な勤務体制や相互理解を図ることで、長期的に信頼できるパートナーとして活躍してもらえる環境が整います。
③ 穏やかで優しいが、プライドも高い
スリランカ人の性格を語る上で、もう一つ押さえておきたいのが「穏やかで優しい反面、自尊心が高い」という二面性です。
仏教の教えに根ざした国民性から、基本的にスリランカ人は争いを好まず、温厚で優しい人柄の持ち主が多いとされています。困っている人を放っておけない、笑顔でホスピタリティを発揮するといった特徴は、多くの在日スリランカ人にも見られる傾向です。 しかし同時に、自国の文化や自分の仕事、そして家族に対しては非常に強い誇りを持っています。そのため、人前で厳しく叱責されたり、否定的な言葉を浴びせられたりすることを極端に嫌う傾向があります。注意やフィードバックの仕方には配慮が必要でしょう。
個別に話す場を設け、どこが良かったのかを伝えた上で改善点を丁寧に説明することで、彼らは素直に受け止め、前向きに改善へ向かいます。 この「優しさとプライドの共存」を理解することが、スリランカ人と良好な関係を築く第一歩となるでしょう。
④ 年長者を敬う文化が根付いている
スリランカでは、仏教の教えや伝統的な家族制度に根ざした「年長者を敬う」文化が、社会全体に深く根付いています。
年上の方や経験豊富な方への敬意は、家庭内だけでなく職場や地域社会においても自然に表れる価値観です。 この文化的背景は、日本企業で働く上で大きなプラスに働きます。なぜなら、日本の企業文化もまた、上司や先輩を立て、組織の秩序を重んじる傾向にあるからです。 スリランカ人は年上の社員や上司に対して自然に敬語を使い、指示を素直に受け止める姿勢は優秀な人材といえるでしょう。
この姿勢は、既存の日本人スタッフとの関係構築をスムーズにし、組織への定着率向上にも繋がっています。 「年功序列」が薄れつつある現代の日本企業においても、こうした敬意の文化は組織の調和を保つ重要な要素です。スリランカ人材のこの特徴は、採用担当者にとって安心材料の一つと言えるでしょう。
⑤ ホスピタリティ精神が旺盛
スリランカ人の性格を語る上で見逃せないのが、彼らの温かいホスピタリティ精神です。
スリランカの代表的な挨拶である「アーユボーワン(ආයුබෝවන්)」は、「あなたに長寿を」という意味を持ち、初対面の人にも心からの祝福を込めて使われます。この挨拶一つをとっても、相手の幸せを願う彼らの精神性が表れています。 スリランカでは、困っている人を見かけたら助けることが当たり前という文化が根付いています。道に迷っている旅行者に自ら声をかけて案内したり、重い荷物を持っている人を手伝ったりする姿は、現地では日常的な光景です。
こうしたホスピタリティ精神は、チームワークを重視する職場において大きな強みとなります。協調性が求められる現場や、顧客対応が必要な業務では、スリランカ人の持つ自然なおもてなしの心が組織全体に良い影響を与えるでしょう。
⑥ シャイだが、一度打ち解けると親密になる
スリランカ人の特徴として、初対面では少し控えめでシャイに見えることがあります。
これは決して人見知りや消極的というわけではなく、相手を尊重し、丁寧に接しようとする姿勢の表れです。相手との距離感を大切にし、失礼のないよう配慮しているからこその態度です。
採用担当者の方にお伝えしたいのは、この初期の控えめな態度に戸惑わず、こちらから積極的に話しかけることの重要性です。私が実際に支援してきた採用事例では、受け入れ側から歓迎の気持ちを伝え、積極的にコミュニケーションを取ることで、早く心を開いてくれる可能性があるでしょう。 一度信頼関係が築かれると、彼らは非常に親密で忠実なパートナーとなります。困ったときには真っ先に助けてくれる存在になり、長期的に組織に貢献してくれる人材へと成長します。最初の数週間から1ヶ月程度、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、その後の良好な関係構築がスムーズに進むでしょう。
⑦ 時間の感覚がゆったりしている
スリランカ人材を採用する上で、採用担当者が気になる点の一つが「時間の感覚」です。
南国特有のおおらかな時間感覚を持つ傾向があり、厳しい納期よりも人間関係やその場の調和を重んじる価値観が背景にあります。これは「ルーズ」というよりも、優先順位の違いとして理解すべき文化的特徴です。 スリランカでは、目の前にいる相手との会話や、その瞬間の人間関係を大切にする文化が根付いています。そのため、会議中に別の用事が入ったり、予定していた時間より遅れて到着したりすることも珍しくありません。
納期の重要性を丁寧に説明し、定期的な進捗確認の場を設けることで、日本のビジネス習慣にも順応していきます。 時間管理の具体的なマネジメント方法については、次の「ビジネスシーンにおけるスリランカ人の仕事観」のセクションで詳しく解説します。
【採用担当者必見】ビジネスシーンにおけるスリランカ人の仕事観
高い教育水準と英語力に裏付けられたポテンシャル
スリランカ人材を考える上で、まず注目したいのが国全体の教育水準の高さです。
スリランカにおいては国立大学も無償ですが、その門はきわめて狭く入学できるのは受験資格のある学生のみとなります。こうした教育環境が、基礎学力の高い人材を多数輩出する土台となっています。 特筆すべきは、スリランカ人の英語力です。公用語はシンハラ語とタミル語ですが、ビジネスシーンや高等教育では英語が広く使われており、多くの人材がビジネスレベルの英語でコミュニケーションを取ることができます。
これは日本企業にとって、海外拠点との連携やグローバルな顧客対応を任せられる大きなアドバンテージとなるでしょう。英語でのやり取りが必要な業務や、多言語対応が求められる現場において、スリランカ人材は即戦力として期待できる存在です。
仕事の進め方とコミュニケーション
スリランカ人材は、基本的に指示待ちではなく、仕事の目的や背景をしっかり理解すれば自律的に動ける人材が多いのが特徴です。 高い教育水準に裏打ちされた理解力と学習意欲があるため、業務の意図を丁寧に説明することで、自ら考えて行動できるようになります。 一方で、前述した「時間の感覚がゆったりしている」という文化的背景から、納期管理には工夫が必要です。 私の採用支援の経験では、単に「〇月〇日までに完成させてください」と伝えるだけでなく、「なぜこの納期なのか」「遅れるとどんな影響があるのか」という理由を添えて説明することが非常に効果的です。
また、定期的な進捗確認の場を設けることも重要です。
週次や隔週でのミーティングを通じて、進行状況を一緒に確認し、必要に応じて軌道修正を行うことで、スケジュール通りのプロジェクト進行が可能になります。 こうしたコミュニケーションの工夫により、スリランカ人の持つポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
仕事へのモチベーションとキャリア観
スリランカ人材の仕事へのモチベーションを理解する上で、最も重要なのが「家族を支える」という強い目的意識です。
「母国の家族に仕送りをしたい」「子どもに良い教育を受けさせたい」という考えを持った方が多い傾向にあります。この家族への強い責任感が、仕事への原動力となっているのです。
加えて、自身のスキルアップを重視する姿勢も特徴的です。高い教育水準で育った彼らは、新しい技術や知識の習得に意欲的で、キャリアの成長を強く望んでいます。「この会社で何が学べるか」「将来どんな役割を任せてもらえるか」といった成長のビジョンを示すことで、スリランカ人材は組織に対する忠誠心を高め、長期的に貢献してくれる人材となります。こういった取り組みを行うことで定着率にも繋がります。
日本企業でスリランカ人材が活躍できる3つの理由
これまでの特徴を踏まえると、スリランカ人材は日本企業において大きな戦力となるポテンシャルを秘めています。 ここでは、特に活躍が期待できる3つの理由を具体的にご紹介します。
高い学習意欲と適応力
スリランカでは国立大学まで無償の教育制度が整備されている事や識字率の高さより、高い水準を誇ります。
こうした教育環境で育った人材は、新しい業務やシステムの習得に意欲的です。 私が実際にサポートしてきた採用事例でも、日本語の習得スピードや業務への適応の早さに驚かされることが少なくありません。 仏教文化に根差した謙虚さと向学心が、継続的な成長を支えています。
英語力を活かしたグローバルな活躍
多くのスリランカ人はビジネスレベルの英語を話せるため、海外取引先との折衝や社内の国際プロジェクトで即戦力として期待できます。 日本人スタッフが英語に不安を感じる場面でも、スリランカ人が橋渡し役となることで、業務の幅が大きく広がるでしょう。
真面目で誠実な人柄と組織への忠誠心
年長者を敬う文化が根付いているスリランカ人は、日本の企業文化にも馴染みやすい傾向があります。
一度信頼関係を築けば、組織に対して高い忠誠心を示し、長期的に貢献してくれる人材が多いのです。 家族を支えるために働くという明確な目的意識を持っているため、責任感を持って業務に取り組む姿勢も特筆すべき点と言えます。

採用前に知っておきたいコミュニケーションのポイントと注意点
スリランカ人材の採用を検討する際、文化的な違いを事前に理解しておくことが、双方にとって良好な関係を築く鍵となります。良い面だけでなく、課題となりうる点も正しく把握することで、より適切な受け入れ準備が整います。 まず注意したいのが、スリランカ人は自尊心が強く、人前での叱責や直接的な否定表現に傷つきやすい傾向がある点です。改善点を伝える際は、個別に話す場を設け、「もっと良くなるために一緒に考えましょう」という協力的な姿勢で接することが効果的です。
次に、時間感覚の違いへの対応です。
南国特有のゆったりとした時間感覚を持つ文化圏であるため、厳密な納期管理には工夫が必要です。単に「〇日までに完成させてください」と伝えるだけでは、重要性が十分に伝わらない場合があります。「なぜこの期限なのか」「遅れるとどんな影響があるのか」という背景を丁寧に説明することで、納期への意識が大きく変わります。
最後に、宗教への配慮も重要なポイントです。
仏教徒が多いスリランカでは、満月の日(ポヤデー)が神聖な日とされ、この日は礼拝や瞑想を行う方も少なくありません。また、ヒンドゥー教やイスラム教を信仰する方もいますので、礼拝の時間帯や食事の制限(豚肉やアルコールなど)について、採用前に確認し尊重する姿勢が信頼構築に繋がります。 これらの違いを「課題」ではなく「理解すべき文化的特徴」として捉え、事前に準備しておくことで、スリランカ人材の持つ高いポテンシャルを最大限に引き出せる環境が整うのです。
スリランカ人材の採用手続き(特定技能など)にご興味のある方へ
ここまで、スリランカ人の文化的背景や仕事観、日本企業での活躍可能性について詳しく解説してきました。 「実際に採用を検討したい」と感じた方も多いのではないでしょうか。 しかし、スリランカ人材の採用には、在留資格の取得や各種法的手続きなど、専門的な知識が必要です。
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まとめ
スリランカ人は、親日的で穏やかな性格、高い教育水準と英語力、そして日本文化との親和性の高さから、日本企業で大きな戦力となるポテンシャルを持っています。 家族を支えるために働くという強い目的意識と、学習意欲の高さは、長期的な活躍を期待できる要素です。文化の違いを理解し、適切なコミュニケーションを心がけることで、彼らは組織に忠実で信頼できるパートナーとなるでしょう。
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