特定技能の費用を完全ガイド|相場・内訳・本人負担からコスト削減の助成金まで徹底解説

「特定技能外国人の採用を検討しているけれど、実際にいくらかかるのか分からない…」そんな不安を抱えていませんか?採用費用、支援費用、給与、そして見落としがちな各種申請費用まで、特定技能にかかるコストは多岐にわたります。
また、採用ルートや国籍、業種によって金額が変動することもあり、正確な予算を見極めるために様々な知識が必要です。本記事では、初期費用からランニングコストまで、実際の相場を年額・月額で徹底解説。さらに、補助金等を活用したコスト削減の具体策までご紹介します。
図解でわかる!特定技能の費用 全体像
特定技能外国人の採用を検討する際、まず押さえるべきなのが費用の全体構造です。
採用ルートによって初期費用は変動し、さらに継続的に発生するランニングコストや給与・社会保険料を含めると、「年間でどれだけの予算を確保すべきなのか」この全体像を把握していなければ、採用後に想定外の支出で悩むことになりかねません。
ここからは、具体的な内訳を見ていきましょう。
<初期費用の内訳>
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 人材紹介料 | 10〜50万円 | 経歴、日本語レベルなどにより変動 |
| 支援初期費用 | 5〜30万円 | 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、公的手続き等への同行など |
| 在留資格変更・認定申請費用 | 10〜50万円 | 行政書士報酬含む |
| 渡航費 | 5〜15万円 | 出発国により変動 |
| 合計 | 25〜115万円 | 国籍・送出国により変動 |
人材紹介料
まず初期費用として発生するのが「人材紹介手数料」になります。これは日本人を採用する場合と同様に、登録支援機関などの人材紹介会社から特定技能人材を紹介してもらう場合に発生します。自社で外国人人材を探した場合は不要となります。
支援初期費用
続いて発生する費用としては「支援初期費用」になります。
特定技能を採用する際に必要な10の義務的支援のうち、入職時に発生する費用として支払うのが一般的です。
また、支援を委託する場合には別途費用がかかります。1人あたり月額15,000円〜30,000円程度が一般的な相場となっています。ただし、支援内容の充実度や対応言語の種類によって金額は大きく変わります。委託料はかかりますが、専門知識が豊富なため迅速かつ性格な対応が可能なことや、自社の工数負担を軽減できるので、外国人採用に慣れていない企業は委託することをおすすめします。
【義務的支援 全10項目】
1.事前ガイダンス(雇用条件や業務内容を本人が理解できる言語で説明)
2.出入国する際の送迎(入国や帰国時、住居への送迎)
3.住居確保・生活に必要な手続き支援(住民票届出や銀行口座開設など)
4.生活オリエンテーション(日本のルールや習慣の説明)
5.公的手続等への同行(会社保障や税等の手続きの同行)
6.日本語学習の機会提供
7.相談・苦情への対応(職場や生活上の相談等、外国人が理解できる言葉で対応・助言)
8.日本人との交流促進
9.転職支援(受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合、転職先を探す手伝いなど)
10.定期的な面談・行政機関への通報(生活状況の把握と相談対応を定期的に行う)
参考記事:登録支援機関とは?特定技能の専門家が図解で徹底解説|失敗しない選び方5つの秘訣
在留資格変更・認定申請費用
在留資格変更・認定申請の手続き費用として5〜20万円かかります。行政書士等に申請を依頼する場合などはその費用も含まれます。
渡航費
海外から特定技能外国人を呼び寄せる場合、初期費用は25〜115万円と幅があります。
この費用差が生まれる主な理由は、送出国の違いと各種手続き費用の変動にあります。
送出機関への手数料は国により大きく異なり、ベトナムやフィリピンでは3〜10万円、インドネシアやミャンマーでは7〜20万円が相場です。
採用計画の段階で送出国を比較検討することで、3〜15万円のコスト削減につながるケースも少なくありません。
年間ランニングコストは12〜48万円(月額1〜4万円)
特定技能外国人の雇用を継続するには、ランニングコストが発生します。
<主なランニングコスト>
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 支援委託費 | 1~4万円/月 | 相談・苦情への対応、日本語学習の機会の提供など |
| 在留資格更新手続費用 | 3〜10万円 | 行政書士報酬含む |
最も大きな割合を占めるのが、登録支援機関への支援委託費用です。
義務的支援10項目の実施を外部に委託する場合、月額1〜4万円が標準的な相場となっており、年間では12〜48万円の負担となります。
これに加えて、在留資格の更新手続き費用が必要です。
特定技能1号の在留期間は通常1年〜3年で更新されるため、年間3〜10万円程度の更新費用が発生する場合があります。自社で義務的支援を実施する場合、委託費用は不要ですが、担当者の人件費や支援に必要な費用などの実質的なコストが発生します。質の高い登録支援機関に委託することで外国人材の定着率が向上し、結果的に再採用コストを削減できることもあるため、単純な金額だけで判断せず、サービス内容を重視することが重要です。
給与も含めた1人あたり年間総額は約300〜400万円
特定技能外国人1人あたりの年間総コストは、約300〜400万円が標準的な水準です。
この総額の内訳を具体的に見ていきましょう。
最も大きな割合を占めるのが給与で、日本人と同等以上の水準が法律で義務付けられているため、年間300万円前後が必要です。これに社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)が加わり、年間30〜50万円の企業負担が発生します。
また、登録支援機関への委託費用や在留資格更新費用、人材紹介を利用した場合などのランニングコストとして年間15〜50万円+人材紹介料、初期費用を3年間で按分すると年間8〜38万円が加算されます。
内訳表(登録支援機関を使わない・人材紹介なしの場合)
| 費用項目 | 年間金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 給与 | 300万円前後 | 日本人と同等以上(同等報酬要件) |
| 社会保険料 (企業負担分) | 30〜50万円 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 ※日本人と同等 |
| ランニングコスト | 12〜48万円 | 在留資格更新、通訳・生活サポートなど (※登録支援機関未利用の場合) |
| 初期費用の年間按分 | 8〜38万円 | 初期費用22〜114万円を3年按分 (住居初期・渡航・備品等) |
| 年間総額 | 約300〜400万円 | 1人あたりの標準的な総コスト |
内訳表(登録支援機関・人材紹介ありの場合)
| 費用項目 | 年間金額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 給与 | 300万円前後 | 日本人と同等以上(同等報酬要件) |
| 社会保険料 (企業負担分) | 30〜50万円 | 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険 ※日本人と同等 |
| ランニングコスト | 12〜48万円 | 在留資格更新、通訳・生活サポートなど (※登録支援機関未利用の場合 |
| 初期費用の年間按分 | 8〜38万円 | 初期費用22〜114万円を3年按分 (住居初期・渡航・備品等) |
| 人材紹介料 | 10〜50万円 | 経歴、日本語レベルなどにより変動 |
| 支援初期費用 | 5〜30万円 | 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、公的手続き等への同行など |
| 支援委託費 | 1~4万円/月 | 相談・苦情への対応、 日本語学習の機会の提供など |
| 年間総額 | 約300〜650万円 | 1人あたりの標準的な総コスト |
採用ルート別の費用シミュレーション〜あなたの会社ならいくら?
特定技能の採用費用は、どのルートで人材を確保するかによって10倍近い差が生まれることをご存じでしょうか。
既存の技能実習生を移行させるのか、国内で転職希望者を探すのか、それとも海外から新規に呼び寄せるのか、この選択が初期費用に直結します。
さらに建設業では業界特有の追加コストも無視できません。
ここからは、4つの代表的な採用パターンについて、実際にかかる金額を項目ごとに分解し、あなたの会社の状況に最も近いケースで特定 技能 費用がいくらになるのか、具体的にシミュレーションしていきます。
技能実習生から特定技能になる外国人を採用した場合(国内):最もコストを抑えられるケース
技能実習2号または3号を修了した実習生を特定技能1号へ移行させるルートは、特定技能の費用を最も抑えられる採用方法です。なぜなら、実習生は既に日本国内に在住しており、渡航費や送出機関への手数料が一切発生しないからです。
さらに、技能実習2号を良好に修了した方は、日本語能力試験と技能評価試験の両方が免除されます。そのため、試験対策費用や受験費用も不要です。
実際にかかる初期費用は、在留資格変更許可申請の手続き費用5〜12万円と、支援の初期費用5〜10万円程度。合計しても10〜20万円前後で移行手続きが完了します。海外からの新規採用と比較すると、大幅にコストを削減できる計算になります。加えて、既に企業文化や業務内容を理解している人材なので、教育コストも最小限で済みます。
国内の転職者を採用:人材紹介会社利用時の費用相場
国内在住の特定技能外国人を人材紹介会社経由で採用する場合、紹介手数料は想定年収の10〜35%が一般的な相場です。
想定年収を250万円とした場合、紹介手数料は25〜62.5万円となります。
これに在留資格変更許可申請の手続き費用5〜20万円、および支援を加えると、初期費用の総額は30〜85万円が相場となります。支援を登録支援機関に依頼する場合は、月額で2万~4万円の費用がかかります。
技能実習から特定技能になる外国人を採用した場合と比較すると費用は高くなりますが、国内在住者は既に日本語能力や生活習慣を身につけているため、入社後の教育期間が短縮でき、即戦力として活躍が期待できます。
人材紹介会社により付帯サービスの内容が大きく異なるため、面接調整や在留資格申請サポート、入社後のフォロー体制など、手数料に含まれる範囲を事前に確認することが重要です。
海外から新規採用:国籍別の費用差とリアルな総額
海外から新規に特定技能外国人を採用する場合、渡航費を含めた初期費用は27〜114万円と幅があり、その大きな変動要因となるのが送出国の違いです。ベトナムからの採用では送出機関費用20〜40万円、フィリピンでは15〜30万円、インドネシアでは10〜30万円が相場となっています。これに人材紹介料10〜30万円、在留資格認定証明書の交付申請費用5〜15万円、渡航費5〜15万円、入国後の生活オリエンテーション費用5〜10万円が加わります。
| 送出国 | 送出機関手数料 | 特徴 |
|---|---|---|
| ベトナム | 20~40万円 | 推薦者表の対応が必要 |
| フィリピン | 15〜30万円 | MWO(フィリピン労働局)の手続きが必要 |
| インドネシア | 10〜30万円 | インドネシア政府の労働システムであるIPKOLを利用 |
| ネパール | 10〜30万円 | 通訳・移動費が上振れしやすい |
| ミャンマー | 10〜30万円 | ディマンドレターの対応が必要 |
特定技能各国での採用方法や手続き・費用に関してそれぞれ解説しているのでぜひ参考にしてください。
建設業の特定技能採用は追加コストに注意
建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が必須となり、他業種にはない追加コストが発生します。
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入
賛助会員の場合、年会費は24万円、正会員では36万円が必要です。
さらに、受入負担金として1人あたり月額1.25万円(年15万円)を継続的に支払う必要があります。これは、低賃金雇用を防止し公正な競争環境を維持するための業界共通の仕組みです。
建設キャリアアップシステム(CCUS)
加えて、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録も義務付けられております。
建設キャリアアップシステムを利用するに当たり、「技能者登録料」「事業者登録料」「管理者ID利用料」「現場利用料」の費用が必要となります。それぞれの料金を説明します。
参考記事:特定技能「建設」とは?制度概要から受け入れ条件まで完全解説
【技能者登録料】
建設キャリアアップカードの発行に必要となる料金であり、カード有効期間は発行日から発行9年経過後最初の誕生日までとなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| インターネット | (1)簡略型:2,500円 |
| (2)詳細型:4,900円 | |
| 認定登録機関 | 詳細型:4,900円 |
【事業者登録料】
事業者登録料は資本金をもとに決まります。一人親方であれば0円〜資本金500億円以上であれば2,400,000円と幅広く金額が定められています。
| 資本金 | 登録料(税込) |
|---|---|
| 一人親方 | 0円 |
| 500万円未満(個人事業主含む) | 6,000円 |
| 500万円以上1,000万円未満 | 12,000円 |
| 1,000万円以上2,000万円未満 | 24,000円 |
| 2,000万円以上5,000万円未満 | 48,000円 |
| 5,000万円以上1億円未満 | 60,000円 |
| 1億円以上3億円未満 | 120,000円 |
| 3億円以上10億円未満 | 240,000円 |
| 10億円以上50億円未満 | 480,000円 |
| 50億円以上100億円未満 | 600,000円 |
| 100億円以上500億円未満 | 1,200,000円 |
| 500億円以上 | 2,400,000円 |
【管理者ID利用料】
事業者が建設キャリアアップシステムにおいて事業者情報(現場情報を含む)を管理するために 必要となる管理者ID に対する利用料金です。
・1IDあたり* 11,400円(税込)※一人親方の方の管理者ID利用料:2,400円
【現場利用料】
現場利用料とは、元請事業者がシステムに現場や契約情報を登録したうえで、その現場に入場する技能者の「人日ベースの就業履歴登録回数」に応じて発生する料金です。利用料は一定期間ごとに、登録実績に基づいて後払いで精算されます。
・1人日:現場あたり10円(税込)
★現場利用料の請求例
・20 人の技能者が50 日就業した場合 20人×50日×10円=10,000円
・同一現場で朝と昼休み後に2回入場 1人日×1現場=10円
・午前と午後で同一元請の別現場に入場 1人日×2現場=20円
※出典:建設キャリアアップシステム(CCUS)
採用計画では、こうした業界固有の費用を必ず事前に織り込んでおくことが重要です。
あわせて読みたい記事:特定技能「建設」とは?制度概要から受け入れ条件まで完全解説
費用の内訳を徹底解説|各項目で見るべきポイントと注意点
特定技能採用の費用総額を把握したら、次に押さえておくべきは「その金額の中身」です。
人材紹介の手数料には何が含まれているのか、登録支援機関の月額費用で受けられるサービスはどこまでなのか、海外採用で国によって費用が変わる理由は何なのか、こうした内訳を理解しておかなければ、見積もりの妥当性を判断できません。
さらに重要なのが、企業負担と本人負担の正しい線引きです。
ここからは主要な費用項目について、相場だけでなく選定時の具体的なチェックポイントや契約時の注意点まで、実務で本当に役立つ視点から詳しく解説していきます。
人材紹介・マッチング費用:10~50万円の相場と選び方
人材紹介・マッチング費用は、特定技能採用における初期費用の中でも大きな割合を占める項目です。成功報酬型が主流で、想定年収の10〜35%が一般的な相場です。想定年収を250万円とした場合、紹介手数料は25〜62.5万円となります。
紹介会社を選ぶ際は、単純な料金の安さだけでなく、サービス内容を比較することが重要です。面接日程の調整代行、在留資格申請のサポート、入社後のフォロー体制など、付帯サービスの充実度を確認しましょう。また、保証期間が3〜6ヶ月設定されているかも重要なチェックポイントです。万が一早期退職が発生した場合、再紹介や返金対応があるかどうかで、実質的なコストは大きく変わります。私の経験では、初期費用が多少高くても、手厚いサポート体制がある紹介会社のほうが、結果的に定着率が高く、総合的なコストパフォーマンスに優れていました。
登録支援機関への委託費用:月額平均28,386円の内訳
登録支援機関への委託費用は、月額2〜3万円が平均的な相場です。出入国在留管理庁の調査によれば、1人あたり月額平均28,386円となっており、年間では約24〜36万円の費用が発生します。
この委託費用には、義務的支援10項目に関する費用が含まれています。
具体的には、入国前の事前ガイダンス、生活オリエンテーション、月1回以上の定期面談、役所での行政手続き同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情への対応などです。価格帯としては、15,000円〜30,000円の範囲に設定している機関が全体の71.8%を占めています。ただし、入国時の空港送迎や住居確保支援などは、月額費用とは別に初期費用として請求されるケースが多いため、契約前に内訳を確認することが大切です。
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在留資格申請・更新費用:行政書士報酬を含む相場
在留資格の申請・更新手続きは、特定技能外国人の受入れに欠かせないステップです。
新規入国の場合は在留資格認定証明書交付申請で5〜15万円、国内で転職する場合は在留資格変更許可申請で5〜10万円が相場となります。さらに、在留期間更新許可申請は1〜3年ごとに3〜8万円が必要です。
これらの費用には行政書士への報酬が含まれています。自社で申請することも可能ですが、書類の不備により不許可となれば、採用した人材が就労できないリスクが生じます。
入管法の知識が不十分なまま自社申請を進め、書類の再提出を繰り返した結果、内定者の入社時期が大幅に遅れた事例もあります。専門家に依頼することで、確実かつスムーズな手続きが実現します。
| 申請種別 | 費用相場 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 (新規入国) | 5〜15万円 | 海外からの呼び寄せ時 |
| 在留資格変更許可申請 (国内転職) | 5〜10万円 | 国内で特定技能へ変更時 |
| 在留期間更新許可申請 | 3〜10万円 | 1〜3年ごと |
海外の送出機関への費用 :国による違い、二国間協定の注意点
海外から特定技能外国人を採用する場合、送出機関への費用は国によって大きく異なります。
一般的には10〜50万円の範囲ですが、ベトナムでは20〜40万円、フィリピンでは15〜30万円と国ごとに相場が異なります。
特に注意すべきは、日本と二国間協定を締結している国での採用です。ベトナム、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、ラオス、モンゴルなど認定送出機関の利用が義務付けられている国では、政府が認定した機関を通じてのみ採用が可能です。
これらの国では不当な手数料徴収を防ぐため、保証金や違約金の徴収が明確に禁止されています。送出機関を選ぶ際は、認定の有無、提供される日本語教育や技能訓練の内容、渡航手続きのサポート範囲を事前に確認することが重要です。
外国人本人が負担すべき費用(渡航費・家賃など)と企業が負担すべき費用の線引き
特定技能外国人の費用負担については、法令で明確な線引きが定められています。
企業が必ず負担すべきなのは、義務的支援10項目に関わる全費用です。事前ガイダンス、生活オリエンテーション、定期面談、行政手続き同行などの費用は一切本人に転嫁できません。
また、本人が帰国費用を用意できない場合、企業が負担する義務があります。
一方、本人負担が認められる費用もあります。入国時の渡航費、健康診断費、家賃や光熱費などの住居費、在留カード交付手数料などは、本人の同意があれば徴収可能です。
ただし、実際に費用を徴収する場合は、雇用契約書への明記と母国語での説明が必須です。保証金や違約金の徴収は法律で明確に禁止されており、違反すれば受入停止などの行政処分を受けるリスクがあります。
| 費用項目 | 負担者 | 注意点 |
|---|---|---|
| 義務的支援 (10項目の費用) | 企業が負担 | 本人への転嫁は法令違反 |
| 帰国費用 (本人が用意できない場合) | 企業が負担 | 事前の確保義務あり |
| 入国時の渡航費 | 本人負担可 | 契約書への明記と母国語説明が必要 |
| 健康診断費 | 本人負担可 | 相場を超える徴収は不可 |
| 家賃・光熱費 | 本人負担可 | 適正価格での徴収が前提 |
| 保証金・違約金 | 徴収禁止 | 違反時は受入停止処分の対象 |
忘れてはいけない!その他の費用(居住費、業界団体費など):特に建設業やその他特定分野の費用について言及
特定技能外国人を採用する際に見落としがちなコストのひとつが「居住費」と「業界団体費用」です。
居住費
まず、居住費についてです。原則として住居費は本人負担ですが、企業には「適切な住居の手配」と「徴収費用の適正化」という支援義務があります。特に海外から人材を採用する場合、来日直後に住居が必要になるため、企業側で住居を確保するケースが多くなります。これは採用計画を立てる際に必ず考慮すべきポイントです。
業界団体費用
次に、業界団体費用です。先に建設業での業界特有の費用負担について述べましたが、建設業では協議会への加盟に年会費が必要であり、工業製品製造業でも同様に費用が発生します。一方で、介護や外食業では協議会加盟にあたり費用は不要です。つまり、業種によって負担の有無が大きく異なるため、採用コストを試算する際には業界特有のルールを確認することが重要です。
採用法人にとって、こうした「見えにくいコスト」を事前に把握しておくことが、スムーズな受け入れ体制づくりにつながります。先に建設業での業界特有の費用負担について話しましたが、工業製品製造業の協議会も年会費が必要です。
これはNG!費用負担のルールと企業が負担すべき範囲
特定技能外国人を受け入れる際、最も慎重に扱わなければならないのが費用負担のルールです。「義務的支援の費用を本人に転嫁してしまった」「相場を超える家賃を徴収していた」「保証金を預かっていた」——こうした「知らなかった」では済まされない違反事例がいくつかあります。法令違反と判断されれば受入停止などの行政処分を受け、それまでの採用投資が無駄になるリスクもあります。企業として絶対に守るべき費用負担の原則と、実務で判断に迷いやすいケースについて、詳しく見ていきましょう。
企業が必ず負担すべき費用と、本人に負担させても良い費用
特定技能外国人の費用負担については、法令で明確なルールが定められています。
企業が必ず負担すべき費用は、義務的支援10項目に関わる全ての費用です。事前ガイダンスや生活オリエンテーション、定期面談、行政手続きの同行などにかかる費用は、すべて企業側で負担しなければなりません。また、本人が帰国費用を用意できない場合の帰国旅費も企業の負担義務があります。
一方、本人負担が許容される費用もあります。家賃や光熱費、入国時の渡航費、健康診断費用などは、本人の同意があれば負担させることが可能です。ただし、相場を大きく超える金額を徴収することは認められていません。特に注意すべきは、保証金や違約金の徴収が法律で禁止されている点です。違反した場合、受入れ停止などの行政処分を受けるリスクがあります。
コストを抑える4つの方法
特定技能外国人の採用費用について正確に把握できたとしても、多くの企業様が次に直面するのが「この負担をどう軽減できるか」という現実的な課題です。実は、採用ルートや支援体制の工夫により、初年度の実質負担を30〜50%削減することも可能なのです。確実に効果が見込める4つの実践的なコスト削減手法をこれからご紹介します。助成金制度の戦略的活用から、採用ターゲットの見直し、支援機関の選定基準、そして委託と自社支援の最適な組み合わせまで——それぞれの方法で、どの程度の削減効果が期待でき、実施時にどんな点に注意すべきかを具体的に解説していきましょう。
最新の助成金・補助金を活用する
特定技能外国人の雇用では、複数の助成金制度が利用できます。
最も代表的なのが人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)で、最大72万円の支給を受けられます。就労環境の整備(通訳配置、母国語マニュアル作成など)にかかった経費の2分の1が助成対象となるため、実際の支出を抑えながら受入体制を強化できるのです。
また、キャリアアップ助成金では、有期契約から無期契約への転換時に1人あたり57万円(中小企業)、正社員化でさらに上乗せも可能です。申請には事前の計画書提出や要件確認が必須となりますが、特定 技能 費用の負担軽減に直結するため、採用前に必ず検討すべきでしょう。
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▶助成金について詳しく知りたい方はこちら
外国人雇用で活用できる助成金とは?条件や申請方法を徹底解説
国内在住の転職者を採用する
海外からの新規採用と比較して、既に日本在住の転職希望者を採用することで、特定技能の費用を大幅に削減できます。
具体的には、渡航費5〜15万円、送出機関費用10〜50万円、入国時の空港送迎5〜10万円が不要となり、合計で30〜70万円のコスト削減が実現します。対象となるのは、技能実習を修了した方、留学生からの切り替え、他社(他分野の特定技能含む)からの転職者などです。これらの方々は既に日本語能力や生活習慣を身につけているため、入国後の研修期間も短縮でき、即戦力として期待できます。
弊社の事例では国内在住者の採用により初期費用を半分程度に抑えられた企業も多く、特に複数名を同時採用する際には、この差額が経営判断に大きく影響します。日本国内での求人活動に注力することで、採用スピードも向上するのです。
質の高い登録支援機関を選び、定着率を上げる
質の高い登録支援機関を選ぶことは、特定 技能 費用の長期的な最適化に直結します。
なぜなら、手厚い支援により外国人材の定着率が向上し、早期退職による再採用コスト(1人あたり50〜150万円)を回避できるからです。また月額費用を支払う特定技能の支援についても、支援の質によって定着率が大きく変わります。
優良な登録支援機関を見極めるポイントは4つあります。
①支援実績が豊富で、具体的な定着率データを開示していること。
②定期面談や相談対応の頻度が明確で、緊急時の24時間対応体制があること。
③外国人材の母国語で対応できるスタッフが常駐していること。
④トラブル発生時の具体的な対応フローが整備されていることです。
目先の委託費用の安さだけで選ぶと、結果的に離職率が高まり、採用コストが繰り返し発生してしまいます。費用対効果を正しく評価し、長期的な視点で支援機関を選定することが重要です。
登録支援機関への委託 vs 自社支援
登録支援機関への委託と自社支援、どちらを選ぶべきか迷われる企業は少なくありません。
登録支援機関への委託は、月額2〜3万円程度で義務的支援10項目をすべて任せられるため、社内リソースが限られる企業に適しています。専門知識を持つスタッフによる多言語対応や、法令遵守の確実性が大きなメリットです。
一方、自社支援は委託費用が不要となり、年間24〜36万円のコスト削減が可能です。ただし、支援責任者・担当者の配置、多言語対応体制の構築、法令知識の習得など、相応の体制整備が求められます。10名以上を継続的に雇用する企業では、自社支援体制を整えることで年間100万円以上のコスト削減を実現できます。
定期面談のみ自社で実施し、その他は委託するといった一部委託も選択肢となります。自社の規模や体制に応じた最適な方法を選びましょう。
まとめ:費用に関する不安は、専門家への相談が一番の近道
ここまで、特定 技能 費用について採用ルート別の相場から内訳、法令遵守すべき費用負担のルール、そして実践的なコスト削減手法まで詳しく解説してきました。とはいえ、実際に自社で採用計画を進める段階になると「この見積もりは妥当なのか」「もっと効率的な方法はないのか」と新たな疑問が生まれるものです。特定技能採用を成功させている企業に共通するのは、費用面の不安を一人で抱え込まず、早い段階で信頼できる専門家に相談している点です。最後に、これまでの重要ポイントを整理したうえで、費用の不安を解消し最適な採用を実現するための具体的な相談先についてご紹介します。
重要なポイント(費用内訳、ケース別相場、コスト削減法)おさらい
ここまで解説してきた特定 技能 費用の全体像を整理しましょう。
初期費用は採用ルートにより22万円から114万円と大きく変動します。国内在住者なら人材紹介と在留資格手続きで済むため低く抑えられますが、海外から呼び寄せる場合は送出機関費用や渡航費が加わります。
年間ランニングコストは登録支援機関への委託費用を中心に15万円から36万円が標準です。これに給与や社会保険料を含めた年間総額は300万円から400万円程度となります。コスト削減の鍵は、技能実習生からの移行や国内転職者の採用といった採用ルートの工夫、助成金の活用、そして質の高い登録支援機関選びによる定着率向上です。ただし、義務的支援費用を外国人本人に負担させるなど法令違反となる費用削減は絶対に避けなければなりません。
透明性のある費用管理と適切な投資により、優秀な外国人材の確保と長期的な定着を実現できます。
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まとめ:複雑な費用計算は、専門家への相談が確実で安心
ここまで解説してきた通り、特定技能の費用は採用ルート・国籍・業種により22万円から114万円と大きく変動し、助成金制度も頻繁に更新されます。費用内訳の把握、ケース別相場の比較、コスト削減法の選択など、自社だけで最適なプランと正確な見積もりを算出するのは容易ではありません。stepjob.jpでは、貴社の状況に合わせた透明性の高い料金プランと最新の助成金情報を無料でご提案し、採用から支援まで一括対応でコストを最適化します。まずはお気軽にご相談ください。
採用費用の不安、まずは無料相談で解消しませんか
この記事では、特定技能外国人の採用にかかる費用について、初期費用からランニングコスト、採用ルート別の相場、そして助成金を活用したコスト削減方法まで詳しく解説してきました。
しかし実際には、「自社の業種や規模ではいくらかかるのか」「どの採用ルートが最適なのか」「最新の助成金は使えるのか」など、個別の状況に応じた判断が必要になります。費用の内訳は複雑で、送出国や登録支援機関によっても大きく変動するため、正確な見積もりを自社だけで算出するのは容易ではありません。
Stepjobでは、特定技能外国人の採用から定着まで一貫してサポートしています。初期費用を抑えられる国内在住者の紹介から海外採用まで幅広く対応し、登録支援機関として義務的支援も実施可能です。御社の状況をお聞きした上で、最適な採用プランと具体的な費用見積もりを無料でご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。







