特定技能フィリピン人雇用の完全ガイド | 手続き・コスト・活用法を徹底解説

人手不足に悩む日本企業にとって、特定技能労働者の採用は有力な解決策となっています。しかし「どんな手続きが必要?」「実際のコストはいくら?」と疑問を抱えている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フィリピン人特定技能労働者の雇用に関する基礎知識から実務的なステップ、さらにはコストまでを徹底解説します。

特定技能フィリピン人雇用の基本知識
制度概要と採用のメリット

特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するため2019年4月に創設された外国人材受け入れの仕組みです。建設業や介護、飲食業など14業種で外国人材を受け入れており、特定技能1号は最長5年間の在留が可能です。

フィリピンからの特定技能人材は年々増加しており、2024年12月末時点では約28,000人以上が日本で就労しています。特に介護、工業製品製造業、建設、造船・ 舶用工業などの活躍が目立ちます。

出典:特定技能1号在留外国人数 | 出入国在留管理庁

フィリピン人材を雇用する最大のメリットは、英語力と親日性の高さです。英語が公用語のため、多くのフィリピン人は高い英語コミュニケーション能力を持っています。また、日本文化への親和性が高く、職場への適応がスムーズな傾向があります。

さらに、フィリピンでは日本語教育が広まっており、来日前から基礎的な日本語を習得している人材も多い点も魅力です。介護や接客業では、フレンドリーで明るい国民性が高く評価されています。

フィリピン人を採用する企業の要件とは?

フィリピン人特定技能外国人を採用するには、企業側も一定の要件を満たす必要があります。まず基本的な条件として、雇用契約の締結時に労働関係法令や社会保険に関する法令を遵守していることが求められます。

また、特定技能外国人を適正に雇用するために、支援計画を作成し実施する義務があります。この支援計画には、生活オリエンテーションの実施、住居確保支援、生活相談・苦情対応などが含まれます。

特定技能雇用は、過去5年以内に出入国・労働関係法令違反がないことも重要な条件です。さらに、特定技能外国人と同等の業務に従事する日本人と同等以上の報酬を支払うことも必須要件となっています。雇用する業種によっては、分野別の要件も存在します。

私たちStepjobでは、これらの要件を満たしているか事前に確認し、スムーズな採用をサポートしています。

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フィリピン人特定技能の特定技能資格要件とは?

外国人本人の要件として、フィリピン人が特定技能として働くには日本語能力試験N4レベル以上と業種別技能試験の合格が必要です。技能実習2号修了者は試験免除で特定技能1号に移行可能です。

特定技能1号と2号の違いを分かりやすく解説する記事

MWO(旧POLO)申請が必要

フィリピン人を雇用したい場合は、MWO(旧POLO)申請が必要となります。
MWOとは、フィリピン政府が日本で働くフィリピン人労働者とその家族の福祉を保護し、支援するための事務所のことです。

MWOはこれまでPOLOという名称でしたが、DMW(Department of Migrant Workers:移住労働者省)の新設に伴い名称が変更されました。
日本にはMWO東京(在東京フィリピン共和国大使館 移住労働者事務所)と、MWO大阪(在大阪フィリピン総領事館 移住労働者事務所)の2つがあります。

MWOの申請が必要な理由としては、最終的に雇用するフィリピン人にOEC(Overseas Employment Certificate:海外雇用許可証)を取得してもらうためです。
フィリピン人はOECがないと、海外で働くことができません。
特定技能人材がこのOECを取得するためには、DMWのシステムに雇用主の情報が登録されている必要があるため、フィリピン人特定技能人材の雇用で必須の手続きです。

外国人採用で自社雇用なのか、人材紹介会社を利用するのか判断する場合は、採用までのスピード、コスト、手続きの煩雑さを考慮しましょう。人材の質や即戦力を重視するなら国内採用、多くの候補者から選びたい場合は海外採用が適しています。
専門機関のサポートを活用することで、複雑な手続きもスムーズに進められます。

フィリピン人特定技能者の採用ルート
国内採用と海外採用の違い

フィリピン人特定技能労働者の採用には、国内採用と海外採用の2つのルートがあります。国内採用は日本在住のフィリピン人を対象とし、手続きがスムーズという利点があります。一方、海外採用はフィリピン政府は海外企業による直接採用を原則禁止しているため、フィリピン政府の認可を受けた現地の送り出し機関を介して採用活動を行うケースがほとんどです。

国内採用ルート:日本在住フィリピン人を雇用する方法と手続き

特定技能フィリピン人材の国内採用ルートでは、日本に既に滞在している人材を対象とします。具体的には、技能実習2号を修了した方や日本の大学・専門学校を卒業した方が該当します。

メリット・デメリット

国内採用の最大のメリットは、即戦力の人材確保や、手続きの迅速さです。日本での生活に既に慣れているため、生活環境への適応にかかる時間も短縮できます。また、日本語コミュニケーション能力も一定レベル以上であることが多いため、スムーズな職場適応が期待できます。デメリットとしては、海外人材より国内人材の方が少ないため、候補者数が限られるためマッチがしづらい可能性があり、中々採用までに時間がかかるケースがあります。

手続きの流れ

手続きの流れは、まず対象者との雇用契約を締結し、必要書類を準備します。
その後、在留資格変更許可申請を入国管理局に提出します。書類審査を経て在留カードが発行されれば、正式に就労開始となります。

なお、在留資格変更申請の手続きとは別途、上述のMWO申請の手続きが必要です。
日本国内には2か所のMWO拠点があります。日本企業がフィリピン人を雇用する際、
基本的にMWOへの申請が必要になります。

◆日本国内のMWO(旧:POLO)拠点◆

① MWO東京(旧:POLO東京)
住所:東京都港区六本木5-15-5 フィリピン大使館 移住労働者事務所

② MWO大阪(旧:POLO大阪)
住所:大阪府中央区淡路町4-3-5 アーバンセンター御堂筋7階
   在大阪フィリピン共和国総領事館 移住労働者事務所

海外採用ルート:フィリピンから直接採用する場合の流れと注意点

フィリピンから直接特定技能人材を採用する場合、対象となるのはフィリピン国内で特定技能試験に合格した方や、日本から帰国した元技能実習生です。

メリット・デメリット

海外採用の最大のメリットは、多くの候補者から選考可能です。採用人数10人以上検討している方であれば、国内採用より海外採用の方が候補者が集めやすいです。

また、未経験者の採用も可能です。未経験者を採用するメリットとしては、未経験者は固定観念がなく柔軟な思考を持っているため、自社の方針や社風に馴染みやすい傾向があります。長期的な採用計画がある方にはおすすめです。

デメリットとしては、手続きが複雑なことや、採用時間とコストがかかることです。
上述でもあるように、フィリピン人を採用する際に、独自の手続きが必要です。

手続きの流れ

海外採用の手続きは、まずフィリピン労働雇用省(DMW)への登録が必要となります。
その後、在留資格認定証明書の申請、フィリピン海外雇用庁(POEA)での契約認証、ビザ申請と続きます。

また、渡航費・現地エージェント費用などの負担も発生するため、コスト面での計画も重要です。不正な送出機関も存在するため、信頼できるパートナー選びが成功の鍵となります。

 

海外直接採用の手続きは複雑ですが、より多くの候補者から選考できる利点があります。
特定技能フィリピン人材の採用をスムーズに進めるには、専門知識を持つサポート機関の活用が効果的です。

 

 

フィリピン在住のフィリピン人を雇用する流れ

 

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特定技能フィリピン人雇用にかかる費用一覧

特定技能フィリピン人の雇用には、いくつかの費用項目が発生します。主なコスト項目としては、ビザ申請費(申請取次手数料含む)、渡航費、送り出し機関に対する手数料などが挙げられます。人材紹介会社を利用した場合は、人材紹介手数料も別途かかります。

国内採用と海外採用では費用構造が大きく異なります。
国内採用の場合、初期費用は10万円程度で済むことが多いですが、海外採用の場合、特定技能はDMW認定の送り出し機関を通して手続きする必要があり、特定技能外国人1人につき1500-5000米ドル(15万〜50万円)の手数料を払う必要があるため、25〜60万円程度かかることもあります。

MWO申請の費用
※渡航費用を負担する場合は、別途渡航費用も追加されます。

海外から採用する場合は、住居費や生活サポート費用なども考慮する必要があります。コストを抑えるポイントとしては、「外国人材の受入れ・定着のための取組みを支援する事業」などの政府補助金の活用が効果的です。また、社宅を提供することで定着率向上にも繋がります。

Stepjobでは、採用コストを削減したい企業様向けに、補助金・助成金自動診断システムを行っております。会員登録(無料)すると、補助金・助成金自動診断システムをご利用することができますので、ぜひチェックして見てください。

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フィリピン人材採用の課題と成功するためのポイント

フィリピン人特定技能労働者の採用では、いくつかの課題に直面することがあります。
特に多いのが、ビザ手続きの遅延や煩雑さです。また、異なる文化背景による職場での摩擦や、言語の壁によるコミュニケーション不足も定着率低下の原因となります。

 

これらの課題を克服するためには、まず明確な評価制度を設け、成果を適切に評価することが重要です。フィリピン人材は評価されることでモチベーションを高める傾向があります。また、生活面でのサポート体制を整え、日本での生活に安心感を持ってもらうことも大切です。

 

さらに、将来のキャリアパスを示すことで長期的な就労意欲を引き出せます。特定技能から技能実習への移行や、スキルアップの機会を提供することで、人材の定着率は大幅に向上します。社内に相談窓口を設けるなど、日常的な悩みに対応できる体制も効果的です。

 

フィリピン人の入職者インタビュー紹介

フィリピン出身のキムさん・ジェサさんに入職者インタビューをしています。
お二人とも日本で働くために、日本語の勉強など様々なことを頑張っており、将来の目標についてもお話ししてくれました。

フィリピン人材の採用は本当に最適か?

フィリピン人特定技能労働者は英語力や適応力の高さで注目されていますが、採用を検討する前に冷静な判断が必要です。他国の人材と比較すると、フィリピン特有の複雑な手続きや高額なコストがネックとなるケースが少なくありません。

特に海外直接採用では、フィリピン政府機関(DMW/MWO)との調整が必要で、手続きの遅延リスクも高いのが現状です。そのため、特別な理由がない限り、ベトナムやインドネシアなど他国からの採用を検討する方が、手続きの簡素化や費用対効果の面で有利な場合が多いでしょう。

ただし、介護業界での高い適性や、英語コミュニケーションが必須の職場では、フィリピン人材の価値は依然として高いと言えます。採用を決断する際は、手続きの難しさを織り込んだ長期的な計画を立て、専門家のサポートを受けることをお勧めします。

まとめ

本記事では、フィリピン人特定技能外国人の雇用について、制度の基本から採用手続き、コスト、成功のポイントまで徹底解説しました。フィリピン人材は英語力や文化適応力の高さから多くの業種で重宝されていますが、採用には適切な準備と手続きが必要です。国内採用と海外採用それぞれのルートにはメリット・デメリットがあり、自社の状況に合わせた選択が重要です。

 

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